高1 8月前編

暑苦しく鳴くセミの声が本格的に聞こえて来る季節


弥生の携帯が鳴る

っあ、皐月からRINEだ!

買い物か~いいよっと!ポチ


「弥生ぃ~待ったぁ?」

「ううん!全然!」

「弥生、皐月ちーっす!この暑さちょ~やばくね?マジやばたん」

「っじゃ!そろったし、行こっか!?」

「っで!もこ?今日は何買いに行くの?」

「へへ~水着!」

「せっかくの夏休みだしみんなで今度海行こうよ!」

「いいね~海!弥生の水着姿見たいし!」

「わ、私水着なんて、、」

「何言ってんよ!弥生スタイルいいんだし絶対イイ感じだよ」

み、水着か…水着なんて学校のスクール水着しか着た事ないし…

「このお店だよ!ここチョーイイ感じの多いんだよね」

「うわーこれかわいい」

「この水着チョーやばくね?」

ど、どんなのにすればいいんだろ…

「弥生!」

「弥生に似合いそうなの持って来たから試着してみよ?」

「う、うん」


ガサゴソ…

「どうかな?」

「「めっちゃかわいい!」」「「ちょ~ヤバい!!」」

次!

「「キャ~!!イイ感じ」」「「可愛すぎ!!キュン死にする~」」

次!

「「めっちゃ最高!!」」「「もぉ~ヤバすぎ!!」」

・・・・・・

結局7着も試着しちゃった・・・

「全部イイ感じだったけど弥生に似合うのはやっぱ!これかな!!」

「そうだね!弥生らしくてちょ~やばみ」

「二人がそう言うならこれにしよっかな」

「これなら絶対拓也も見惚れるよ!!」

「へ!!な、なんで如月君!!!?」

「なんでってあいつらも海誘ってやろうと思ってね」

「っえ、え、え!む、無理!」

「何言ってんのもう、さっきRINEしたし!」

う、うそ…

「じゃ!次行こっか!?」

そのあと服屋さんを数軒まわって、ランチして、可愛い雑貨屋行ったりしてすごく楽しかった。

「新作のチョコストロベリーキャラメルマキアートちょ~美味しい!!」

「もこ、一口ちょうだい!」

「っで!弥生、拓也のことどうなの?」

「っへ!!っど、どうって…べ、別にイイ人だとおもうけど…」


「っそか!弥生が誰かに取られるのは嫌だけど、最近拓也とはだんだん普通に接してる姿見て私達めっちゃ嬉しいんだよ!」

「私たちは、何があっても弥生の味方だよ!」

「ウチが守ってあげるからね!」

皐月…もこちゃん…分からないの…自分の気持ち…どうしたらいいのか、どうしたいのか、

好きになる気持ち…恋する気持ち…あの日から私の中から無くなったみたいなの…

でもね…あの日、皐月ともこちゃんがいなかったら私もっといろんなもの無くなってたと思う…

「「皐月!!もこちゃん!!ありがと!!!」」

ありがと…以外の言葉が見つからない…ありがとう…以上の言葉で伝えたいのに…

上手く言い表せないよ…


「キターーーーーーー海!!!!」

「ちょ~最高~~!!テンションアゲアゲ!!!!」

和馬…二階堂…周りからめっちゃ見られてるぞ…

「じゃあ水着に着替えたらここに集合ってことで」

「了解」

・・・・・・・

「女どもは遅いな~~~拓也先に海入っとかねぇ?」

「少しぐらい待てよ、人多いから見つけるの大変だろ!」

「っお!っまた~」

「お待たせ!」

「ま、待たせてごめんなさい」

「おせーよ!海入ろうぜ!!」


「ちょっと感想とかないの!!?」

「すげーいいんじゃね!」

「何!?その感想!」

「拓也はどうなのよ?弥生の水着!!?」

「い、一ノ瀬の…!!一ノ瀬らしい色ですごく似合ってるよ」

か、可愛い…

「でしょ~~~??この水着ウチと皐月で選んだんだから!!」

「なぁ~もういいだろ!?海入ろうぜ!?」

「お前は海で溺れて〇ね!!!」

「ん?なんか言ったか?もこ!?」

「別に!」

バシャバシャ

「気持ちいい!!」

「最高~~~!!」

「弥生もおいでよ!」

「う、うん」

バシャ、、バシャ、、

気持ちいい…海なんて何年ぶりだろ…潮風の香り…どこまでも続く地平線…

キラキラ光って宝石を散りばめたような水面…吸い込まれそう……波が私をこ招いてるみたい…


みんなで海に行ったあの時、周りにはたくさんの人がいたはずなのに俺の目には海の中に独りたたずむお前の姿…

海がお前をどこか遠い所に所に連れて行ってしまうような気がして……

「「「一ノ瀬!!!」」」

気が付いたら手を握っていた

「っへ!!!」

「あ!そ、その先深くなってるから気をつけろよ」

「あ、ありがとう」

・・・・・・・・・・・・・・・


「いったん休憩するか!?」

「ウチちょっとトイレ行ってくる!」

「うん!ここにいるから迷わないでね!」

「だいじょ~ぶ!子供じゃないんだから!」

時間もお昼になり人込みが更に増えていた

「ちょっともこ遅くない?本当に迷っちゃったのかな?私ちょっと見てくるから、弥生荷物見てて」

「うん」

「迷子とか子供かよ!ははっ!しょうがねーから探しに行くか!拓也は一ノ瀬といてくれ」

皐月と和馬がもこを探しに行った


「お姉さん可愛いね!」「一人で来たの?」「よかったら俺らと遊ぼうぜ!?」

何?ナンパ?「友達が待ってるんで!!無理!」

「いいじゃん!!」「何?何?友達も女の子?」「だったらその友達も一緒に遊ぼうよ!?」「っな!いこ~ぜ!」「あっちで楽しいことしよ~ぜ」

ナンパ男がもこの手を強く握った

「っちょ!離してよ!!」

「い、痛い!!」

「「「おい!!!!」」」

「手離せよ!」

か、和馬!!

「何!!?お前?この子の彼氏?」

「行くぞ!もこ!!」

「おい!なに?シカトこいてんだよ!!?」

和馬はもこの手を取り立ち去ろうとする


ナンパ男達は気に食わない表情を浮かべていた「ッチ!」

「和馬ありがとう!」

「別にいいよ…」

和馬の手震えてる…怖かったんだ…

こいつチョーかっこいいじゃん!!

なに!?なに!?めっちゃドキドキするんですけどぉ~


「もぉ~迷子にならないでよね!」

「ごめんごめん!マジごめん!」

「ほんとだぜ!俺が見つけなかったら一生迷ってたろうな!!?」

二人の間にあったことは誰も知らず俺たちはその後も海で楽しみ、帰りの電車ではみんな疲れ果て寝てしまい二駅寝過ごした…

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