高1 6月
6月と言えば学校行事BIG3体育祭。
俺と和馬と二階堂は他のクラス、学年の人たちと学校の飾りつけ班になった。
放課後集まり着々と準備を進めて行く。
「如月君倉庫に行って延長コード持ってきてくれる」
「はい。」
倉庫に行き延長コードを持って教室に戻る途中
自分の身体がすっぽり入りそうなぐらい大きな段ボールを持ち廊下を今にも転びそうな感じで歩いている子がいた。
おいおい!大丈夫かよ。
フラァ…
あぶな!
俺は走って駆け寄り段ボールを支えた。
「あ、ありがとうございます。」
「あれ?一ノ瀬⁉︎」
「あ!如月君」
「大丈夫か?半分持つよ」
「え?い、いいよ、大丈夫だから」
「いいから!半分貸して!」
っえ!え?な、なに!?
いつもは皐月ともこちゃんがいてくれるから平気だったけど、いざ、男の人と二人になると気まずい…
「何の荷物?」
「っへ!あ、体育祭で使う国旗が入ってるの」
「結構重いのによくここまで運べたな」
「う、うん」
「案外力持ちなんだな」
「そ、そうかな…」
「な、なぁ?」
「ん?」
「あのさぁ、、、入学式の日、一ノ瀬の事陰キャなんて言ってごめん!!!」
「えぇ!!な、なに突然!?ぜ、全然気にしてないし。むしろ忘れてたよ」
「いや、、でも、俺の気が済まなくて、いつか謝らないとって思っててズルズルいってなかなか言えなくて、ホントごめん!」
如月君そんなこと気にしてたんだ…
「気にしないで!言われ慣れてるし。私も最初は如月君の事怖い人って思ってた!」
な、何言ってんだろ!私!
「え⁉︎怖い人…それはショック」ガックシ、、、
「でも今日こうして如月君と二人で話して以外にいい人なんだって思ったよ」
で、でもなんでだろ…如月君とだったらスラスラと言葉がかってに出てくる…
変な感じ…
少しだけど初めて一ノ瀬と普通に会話した感じがした。意外に普通に話せる子なんだな!
「如月君ありがとう。ここに置く分だからもう大丈夫だよ」
「おう!じゃあ俺も延長コード持って行かないといけないから行くわ」
「き、如月君!」
「ん?」
「ありがとう。」
「おう!」ニコッ
数日が過ぎ体育祭当日
この高校は学年ごとに順位が決まるほうしきだった。
俺たちの学年は4クラス中2番となんとも中途半端な順位で幕を閉じた。
「このあとみんなで打ち上げいこうぜ」
「OK」「了解」「一回風呂入っていい」「体操服のまま行くわ」
などと言いながらクラス全員で打ち上げをする事になった。
お酒は飲めないが大手の居酒屋で打ち上げをする事になった。
「おつかれ~~~!!!」
「乾杯」「乾杯」「乾杯」
さすがに1クラス1部屋には入りきらず数人に分かれてテーブルについた。
俺たちの席には和馬、二階堂、早乙女、一ノ瀬といつものメンバーで自然な感じで集まった。
「あんた頭は悪いけど、足だけは速いのね」
「だろー!!?スゲーだろ!!?」
「和馬お前ちょっとディスられてるぞ」
「っえ!そうなの?」
「弥生も頑張ったね~ヨシヨシ」
「皐月やめてよ~」
「ウチも弥生にヨシヨシする~」
「もこちゃんもやめてよ~」
「お前らホント仲いいな」
「そりゃ~幼稚園からの付き合いだからね~」
「ウチは中学の時からだけどチョー仲良しだよねー」
「うん」
「ってかさ〜拓也もチョー足速くねぇ?マジびびったわ!」
「俺、サッカー部だし走るの慣れてるから」
「知ってる知ってる弥生と帰る時たまに見かけるもん」
「ねぇ!弥生⁉︎」
「っへ?う、うん!如月君サッカーすごくうまいんだね。私は運動音痴だからちょっと羨ましい」
「一ノ瀬は部活入ってないの?」
「私の家お父さんもお母さんも仕事で遅いから弟のご飯作らないといけなくて」
「ヘ〜偉いな」
「な~早乙女、もこ、一ノ瀬のやつ拓也とは、なんか普通に話してねぇか?」ボソ…
「俺が話しかけても反応薄いのに」
「さぁ~でもいいじゃん!弥生が男の人とあんなに普通に話してるの久しぶりに見たし」
「いい傾向だよ」
「何?なんかあったの?」
「ん⁉︎うん…ちょっと色々あってね」
「ふ~ん。っま何でもいいけど!食べよ!食べよ!」
「ん〜!これチョーうまい!」
この時の俺は弥生の過去について何も知らないまま、今話してる弥生が普通なんだと思っていた。
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