新たに影鬼事務所蒲田支店に住み込んだ玲奈れいなは今までの苦労の賜物たまものだろう、家事全般は得意で簡易かんいキッチンしかないのに苦労した様子も無くシチューやオリジナルドレッシングのサラダを用意した。


「まるで男を喜ばせる為に居る様な女だな」


 玲奈の様子を観察する事で一杯一杯に成っている朱夏あやかにも聞こえない程度にみどりつぶやいた。


 昨晩の事は朱夏から聞いている。

 甘い吐息といきに就寝中に無意識に人に抱き着き、同性でも魅力を否定できないプロポーション。それに体格や見た目の筋力量と釣り合わない締め付け力。

 家出しているとはいえ仮にも四鬼の訓練を積んだ人間が一般人を振り払えない訳が無い。

 本格的に玲奈の素性すじょうに付いて依頼人にただしたいが基本的にスーツ男は連絡先が不明で向こうからの連絡待ちしかない。


 驚いた事に今回の取引は完了らしく報酬は振り込まれていた。依頼人の真意は不明だがかぎを受け取る事、玲奈を事務所に住まわせる事で仕事は完了しているのだ。

 何も分からないのはいつもの事と溜息を吐いた翠は考える事は放棄ほうきした。


 シチューとサラダが運ばれてきたので3人で食卓しょくたくを囲み、口にしてみれば下手に出前を頼むよりも好みの味だ。

 朱夏も驚いている様で不思議そうに首をかしげている。


「お口に合いませんでしたか?」

「いや、美味うま過ぎて驚いてる。それに美味いだけじゃなくてスゲー俺の好みだ」

「私も」

「ふふ、良かったです。2人に合わせて作った甲斐が有りました」

「ん? 合わせた?」

「はい。人を見ると何となく味の好みが分かるんですよ」

「は?」

「本当に何となくですよ」


 昨晩さくばんの様な緊張はけたのか玲奈におびえた様子は見られない。自分を受け入れられる環境だと認識したのか精神的には落ち着いている様だ。


 翠は先程の自分の発言を脳内で反芻はんすうし、その確信を深めていった。

 どんな絡繰からくりが有るかは分からないが玲奈は何かしらの理由で人から過剰かじょうに好かれ易いのだ。無意識に人を喜ばせるすべにもけており朱夏の様に人の好意を素直に信じない様に教育されている者でもない限りあらがえないのだろう。


……いやぁ、これは厄介やっかいなのが来たもんだ。


 下手に人社会に放り込めば今までの彼女の経験通りゆがみを生むのは想像にかたくない。

 彼女を独占どくせんしたい、利用したい程度なら可愛いものだが、それで行き過ぎた者達が彼女を傷付けたのだろう。


 下手に単独行動させて彼女がどうなろうと翠に知った事では無いが、裏家業に耐性が有る様にも見えない。ちょっとした拷問ごうもんでも受ければ簡単にこの事務所の事を話してしまうだろう。

 劇物げきぶつと言っても良い彼女の特性に口の中だけで溜息を吐いてシチューを頬張ほおばり、翠は今後の方針に悩んだ。


「いやぁ、こんな美味い飯が食えるなら玲奈さんをやとった甲斐が有ったってもんだ」

「私の料理は不味まずかったって?」

「いやいや、これは玲奈さんが美味過ぎるってだけだろ。ほとんどレストランとかのクオリティだぜ?」

「それはそうね」

「ふふ、2人は仲が良いんですね」

「仲良くなんて無いわよ。そもそも知り合って2ヵ月も経ってないし」

「え?」

「私もこいつに雇われたのは最近よ。それまでは根無し草」

「朱夏ちゃん、若いのに苦労しているのね」

「いや、玲奈さんが言う?」


 どう考えても玲奈の方が色々な意味で苦労していそうだが今までの苦労は他人事ひとごとの様だ。これだけポジティブなら確かに今まで妖魔化しなかった事もうなずける。

 ただ昨日のおびえ様を知っている2人としては切り替えの落差らくさに困惑してしまう。

 思わず朱夏が翠に寄って耳元で小声に成る。


「何か、変わった?」

「何だろうな?」


 上機嫌に笑みを浮かべる玲奈の変貌へんぼうを不気味に思いつつ、翠と朱夏は食事に戻った。

 恐らく彼女の性格なのだろう、ただしてもそういう性格ならそれ以上の質問は無意味だ。

 2人は玲奈の性格については今は言及げんきゅうしない事にして、むしろ今度の玲奈の扱いについて頭を悩ませた。


……朱夏の事は気に入っているみたいだし押し付けるか?

……こんなエロいお姉さんと一緒に居たら可笑しくなる。翠に押し付けましょう。


 互いに押し付け合うと決め、視線を合わせてみをわす。

 それを見て玲奈は仲の良い2人だと思う訳だが、実際には厄介事やっかいごとを相手に押し付け合う算段さんだんを立てている。


 そんな少々馬鹿な陰謀いんぼう渦巻うずまく朝食は終わり、いよいよ玲奈の日用品の買い出しに誤魔化ごまかしが効かない時間に成って来た。


 影鬼事務所の朝は少々遅めで朝食の終わった現在時刻は9時半だ。

 玲奈は朝食の為に7時くらいには起きてシチューの用意を始めていたが、朱夏は8時、翠は9時直前に起きた。

 そんな2人を玲奈が微笑ほほえましく受け入れたのだから随分ずいぶんと母性にあふれている。


「俺はちょっと役所に用が有る。朱夏は駅ビルとかで適当に玲奈さんの日用品買出しに付き合ってこい」

「いやいやいや、どう考えたって男手が必要だから。玲奈さんをこんな飲み屋街の学生街に放り込んでみなさいよ、ライオンのおりに羊入れるのと変わらないから」

「まあ言う通りだ」

「ならね、ほら?」

「いやぁ、俺は平和主義なんでね?」

「最初から面倒事を前提にしてんじゃないわよ」

「お前だってライオンの檻とか言ってんじゃん」

「アンタも納得したでしょうが」

「あの、私、1人で行きましょうか?」

「「それは無理」」


 ライオンの檻どころの話ではない。ハイエナの群れの真ん中だ。四方八方から良い様に喰われるのが目に見えている。

 これまでの人生で決定的な事に成っていない事を考えれば杞憂きゆうなのかもしれないが、まるで安心材料に成らない。そもそも数日前にアパートを全焼ぜんしょうされていると言うのだから悪運にだって限界が有るだろう。


「分かった、俺も行くよ」

「頼むわよホントに」

「そ、そんなに私の買い出しは不安でしょうか?」

「玲奈さん、自分の事を少しは自覚してマジで」


 早口で言い切った朱夏に気圧けおされて玲奈も素直にうなずいた。

 みどりの役所への用事、玲奈れいなの日用品の買い出し、そして事務所の必需品ひつじゅひんを買い足す為に3人で外出する事が決まり、翠と朱夏あやかは盛大に溜息を吐いて各々おのおのの部屋で外出の準備を整えた。


 9月も後半だが未だに残暑ざんしょ激しく日陰でも肌寒さは無い。

 まずは荷物が無くて済む役所に行く事に成り、それぞれが身支度を整えて2階の廊下で合流して影鬼事務所から蒲田駅ビル方面を目指す。


 大田区役所は蒲田駅の隣に建っているので役所での用事が済めば直ぐに駅ビルでの買物に行けるのが良い。

 翠の役所での用事と言うのは簡単に言えばボランティア活動やチャリティの要請ようせいが有るかの確認だ。次の土曜に住宅街に有る大き目の公園でボランティア活動が有るらしく、特に用事の無い翠はそれに応募した。


「翠さんて、こんな事をしていたんですね」

「まぁね。あ、玲奈さんは駄目だよ」

「どうしてです? ボランティア活動なんて、凄い良い事だと思いますけど」

「お題目だいもくも実際に人が救えるって事も良い事だとは俺も認めるよ。でもね、人のトラブルを見て来た玲奈さんに言うのはなんだけど、ボランティアをする側も受ける側も全員が良い人とは限らない。自尊心じそんしんを満たしたい人も居るし、余裕の有る人をねたむ奴も居る。そんなところに玲奈さんみたな人が行ったら、まあ面倒に成る」

「私、そんなにトラブルメーカーでしょうか?」

「ええ、それはもう。だから俺と常に一緒に行動出来る様なボランティアじゃない限り絶対に参加しないでね」

「わ、分かりました」

「そう言えば、ボランティアの申請って役所に来なくてもネットじゃ駄目なの?」

「いやぁ、入力項目とか煩雑はんざつで面倒でさ、もう少し申請が楽ならネットからすんだけどね」

「あ~、それで近いから直接役所に来てるのね」

「そうそう」


 美少女と美女を連れ立った翠に役所内で視線が集まるが本人は気にした様子を見せない。注目されている事に慣れているというよりも興味の無い物は自然と意識の外に追いやれる性格なのだ。


 翠と玲奈は恋人や夫婦で通じる年齢だが朱夏はそうもいかない。兄妹というには似ていないし、学生の繋がりというには年齢差が有る。

 そういう意味でも注目を集めており、特に玲奈には男達の視線が集中している。


 用事も済んだので翠は早々に移動を促し役所を後にした。

 あまり人目に付かない様に顔を隠す様な帽子ぼうしを買う事も考えて駅ビル内の帽子専門店に入ってみた。朱夏と女店員が似合いそうな物を見繕みつくろってみたが似合うツバ広の物を選ぶと未亡人の様な湿しめった色気が酷い。スポーティな物は長い髪や今のブラウスとスカートに合わずに断念だんねんした。


「どうせ服も買い足すんだから全身見繕いましょう」

「てか服のデザインはどうすんの? 目立たない様に地味にする?」」

「多分止めた方が良いわ。玲奈さんの問題は言動に有る事が多い。正直、服を地味にしたらあつかやついって考えて近付いて来る奴も居るでしょうね」


 そんな事を言っている間に女性向けで全身をコーディネート出来る店に到着した。


 翠は流石に女性服の事は分からないので外で待つ事にして朱夏に任せた。朱夏の方も流石に試着が有るので翠がテナントに入らない事に文句は言わず、最初に声を掛けて来た女定員に玲奈を紹介してコーディネートさせる。


 着回しの出来る上下を3着ずつ見繕って下着も買い揃えて翠を手招てまねきで呼び出し、翠も影鬼から預かっていたカードで会計を済ませた。


 下着の試着を手伝うと言って一緒に試着室に入ろうとした女店員を朱夏が退けていなかったらどうなっていたか。それ以外でも服選びの途中で担当した女店員だけでなく他の店員も玲奈の色気に当てられてちょっとした騒ぎに成っていた。

 極力関わりたくない翠は店員や周囲の客の注目が集まる前に早々に店員から荷物を奪い店を後にした。


「他にも揃えなきゃいけない物は有るんだよね?」

「そうね。化粧水とか、また男だと入り辛い場所かもね」

「でも朱夏ちゃん、最近は男性でもお化粧している人、多いですよ?」

「翠はしないわよ」

「正解。またテナントの外に居るから任せた」

「といっても化粧品とか生理用品は相性あいしょうが有るから私も見てるしかないんだけどね」

「ボディガードは必要でしょ。会計はやったるから頼んだ」

「はいはい。ま、これが終わったら事務所の日用品でスーパーだしね」


 既に服屋での一件で疲れていた朱夏だが、化粧品を選んでいる時に玲奈は化粧水程度でほとんど化粧をしていないと知って困惑した。金銭的に困窮こんきゅうしていたので化粧水以外の化粧品の購入は見送っていたらしい。

 化粧品売り場の店員も玲奈の肌を少し確認して殆ど化粧品を使った事の無い綺麗な肌だと分かった様で興奮している。


 ただ玲奈はあまり高価な化粧品は使いたがらずまゆを整え、色付きのリップで済ませたいらしい。

 非常に残念な様子の店員が化粧品を勧めて来るが、朱夏が玲奈の事を考えて強気で断り最低限の買物で済ませた。


 やっと玲奈を中心とした買物が終わり気楽に成った翠と朱夏は翠が今までの荷物を持っている事で完全に女2人と荷物持ちに見える様に成った。

 翠としては少々不本意だが、流石に翠と朱夏の2人で左右を囲めば不躾ぶしつけな視線はかなり減る。


「これだから野次馬は」

「ま、慣れるまでは静観するしかないねぇ。ほら、さっさと買物を終わらせちゃおう」


 食材やトイレ用品、キッチン用洗剤を買い足して流石にみどり1人で持てる量ではないので小分けにして朱夏あやか玲奈れいなも荷物を持った。


 残暑の中で両手一杯に荷物を持っている翠は額に薄く汗を浮かべており、どこかで休憩する事はせずに早々に事務所に戻って冷房を起動する。

 家政婦が2人も居るので翠は買物の仕分けはせずに制汗せいかんシートで肩やひたいの汗をぬぐいノートPCを起動した。


 メールを開けば先日の依頼人から連絡が入っており今回限りの通話用の番号が記述されている。スマートフォンを取り出して掛けてみれば直ぐに通話が繋がった。


「こんちわ」

『ええ。仕事の完遂かんすい、ありがとうございます』

「荷物の受け渡しって聞いてたけど、受け取ったのは用途不明の鍵だけじゃないか?」

『いえいえ。ちゃんと受け取って頂きましたよ』

「玲奈さんか」

『はい。彼女の事はどこまで?』

「本人からは家無し職無しで大変だって事しか聞いてないね」

『それが全てですね。私共は以前から家政婦でもやとおうかと検討けんとうされていた翠さんに家政婦を提供ていきょうしただけですよ。ああ、彼女の分の生活費は私共で用意します。昨日配達した荷物に有ったカードは彼女用です。一般的な生活をする分には問題無い額を定期的に入金しますよ』

「俺が朱夏を雇ったの知ってるくせに」

『凄いタイミングでしたね』

「はいはい」

『おっと、信用されていないご様子ですね』

「よく言うよぉ、元々俺からの信用なんて有ろうと無かろうとってスタンスでしょ?」

『いえいえ。翠さんとは今後とも良い関係を築きたいと思っていますよ。彼女は貴方の言う事なら断らないでしょうから、色々と申しつけて下さい』

「何を根拠こんきょに?」

『私共も人選には細心さいしんの注意を払いましたから』


 翠の納得は求めていないのだろう。男はどんな質問に対しても意味深いみしんな事は言うが明確な回答は無い。

 その割に玲奈が翠の言う事を聞くとは確信している様でそれが翠に警戒心をあおった。


「ほら、ウチには年頃の娘さんも居るから刺激は程々にしときたいじゃない?」

『仮にも四鬼に連なる方、その程度の事では動じないでしょう。翠さんの事務所に転がり込む前から刺激的なお仕事をされていたようですし』


 朱夏の背景も正しく把握はあくされているのだ、これ以上は玲奈について何の情報も得られないと見切りを付けて翠は話題を変えた。


「念の為に聞いておきたいんだけど、鍵はどうすれば良い? 何も無いなら捨ててしまうんだが」

『おっと、それはお待ち下さい。私達は貴方と継続的な仕事を望んでいます。その鍵はその為の1品とお考え下さい』

「俺が受けられない時に備えて別に用意してるんだろ? なら俺が持ち続ける義務も無いじゃないか」

おっしゃとおりです。なので、これはお願いです』

「……OK、次の仕事はいつくらいか分かるか? あまり待たされると先約が入っちゃうかもしれないよ?」

『ご安心を。翠さんの予定は把握しております。ボランティアに四鬼に隠れての援護、手広くやっておられる。私共もその手際は見習わなければ』

「男にめられてもなぁ」

『それは同意します。近日中には連絡しますので今はお待ち下さい』

「……分かりましたぁ」

『ああ、1つだけ。淡島玲奈は貴方には従うでしょうが言動げんどうにはお気をつけ下さい』

「そんな忠告ちゅうこくが必要な時点で勘弁かんべんして欲しいっすわ」

『申し訳御座ございません。では、次の仕事でお会いしましょう』

「はいはい」


 男との通話を切った翠はスマートフォンを机に置いて簡易かんいキッチンでの荷物の仕分しわけをする朱夏と玲奈を見た。

 朱夏は前に言った通りに翠の趣味ではないが、確かに玲奈は翠に好みだ。翠ではなくとも大半の男なら玲奈が自分に従順じゅうじゅんと成れば興奮するだろう。


……そんな都合の良い人材を簡単に用意出来るか? もしかして次の仕事の前払いか? 玲奈の生活費は影鬼側が定期的に振り込むって言ってたが、それはいつまでのつもりだ?


 考えれば考える程に意味が分からない程に玲奈は好待遇こうたいぐうを受けている。

 問題は彼女が自衛能力を持たない事だが、影鬼の思惑を警戒した翠と朱夏が慎重しんちょうに成った現状では彼女の安全はそれなりに確保された。


 彼女は1人で外を自由に歩く危険性以外は非常に安全で穏やかな生活を手に入れた事に成る。

 まるでお嬢様の家出を実家が隠れてサポートしている様な手厚い対応に翠に疑念は強まるばかりだ。


 その割に男は彼女を好きにして良いと言うのだから分からない。今までの男の言動からも恐らく翠の指示で玲奈に風俗業ふうぞくぎょういても影鬼は干渉かんしょうして来ないだろう。

 ただ翠の手元に玲奈が居れば良い、それだけの様だ。

 あまりにチグハグな影鬼側の対応への理解が進む程に玲奈と影鬼への疑念は深まり、下手な事を玲奈に出来ない心理状態に誘導される。


「あ、荷物、片付け終わりましたよ」

「どーも。大体の間取りは分かったかな?」

「はい。朱夏ちゃんも丁寧ていねいに教えてくれますし、良い子ですね」


 昨日のおびえた様子が嘘の様に今では翠に信頼の笑みを向けて来る。

 人が変わった様に感じ翠は笑みを返しながら内心では疑惑の目を向ける。


 こんな美人で生活能力の有りながら男に精神的な依存いぞんを見せる。まるで意図的に嗜虐心しぎゃくしんを満たす為に作られた女の様だ。

 しかも自己申告では処女というのだから彼女を手に入れた男はこれから彼女を好きに染められるという事でもある。


「へぇ、しっかり先輩してんじゃん」

「当然でしょ。玲奈さんがしっかりしてくれれば私が楽に成るんだから」

「雇い主に堂々とサボり宣言をするな」

「大丈夫、本業の方で役に立つわよ」

「スゲー自信」


 翠としては朱夏くらい生意気で皮肉を言う方が有難い。警戒するべき相手だと分かっている方が不測の事態が有ると前提で考える事が出来る。

 玲奈の様にいつどんな爆発の仕方をするか分からない相手の方が余程困る。


 昼食の準備を始めようとする玲奈を朱夏が止めた。

 どうせなら同居人の歓迎会にしようと提案しており、朱夏用のノートPCから出前サイトを見始めた。

 今は様子見だとあきらめて翠も朱夏の机に寄り3人で出前サイトを見始めた。

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