告白


「あら、それはひどい。殺人は良くないよ?盗みまでは戻れるけど、人殺しは反省しても社会的制裁が止まない。それこそ忘れられるまで、なんてほぼほぼ終身刑みたいなもんだ」


少なくとも、おおよそ殺人を告白された者の態度ではない。冗談ならばまだしも、遺体が目の前にあってこうまで長々と中身のないことを語れる者などカタギではないだろう。


「まぁ、最近この町も物騒になってきたねぇ。田舎で静かでよかったのに」


身を屈めたまま、男が語り出す。


「最近、この町にヤクザが入ってきたっていう噂あるでしょ?」

俺が答えるかどうかのうちに

「アレ本当だよ。チャカ持ってこの町に潜入してきた。まぁ、明日からは安心していいよ。ターゲットを撃ち殺すから」


平然とした調子で彼は続ける。


「あ、悪いことだけじゃあない。君の友達…ツネアキくん、だっけ。その子告白されるよ。隣のクラスの、白垣ちゃんっていう、静かだけど可愛くていい娘に。ツネアキくんあっけなくフッちゃうけど」


優しいけど酷いねぇ。とおどける男。冗談のように言っているが、俺はこの男に会ったことも、学校以外の誰かにツネアキのことを話したりしていない。しかも隣のクラスの女子の名前なんて俺の預かり知らないことまでも、当然のように男は話す。

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