接続、脈拍、収束。

「心と心を繋げるのって大変なんだ。君、ただでさえ怒ってるし。だからこそ、今だからこそ、私は君に伝えるべきなんだ」


ざらりとした殺意。触れるもの、その全てを傷つけるような、剃刀のようなその気。しかしその中心、魂の中枢には、確かに、彼女の求めていたものがあった。


実際、恋は彼の魂からは奪われていない。魂に強く結びついていたそれは、なかなか分離することはできない。彼女はその記憶を痕跡ごと消し去って、代償としたのであった。

そして彼が理性の面でこちらを認識していない今こそ、それに触れられる千載一遇の好機。


左手を伝い、彼らは繋がる。だからこそ、混じり気のない、彼女の言葉と、その心が必要だった。



「好きだよ、天見くん」


流れる血も、痛みも、そして罪悪感も忘れ、彼女は久しく、心から微笑む。それにしては下手くそな、くしゃりとした笑みだったけど。


どくり、と魂が大きく震えた。ざらりとした殺意は、粉雪のように柔らかくなる。抉っていた爪も、いつの間にかすでに抜け───

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