16
カオリは何か「きょとん」とした顔をして、ベッドの上でキョロキョロと辺りを見わたしていた。その様子からすると、薬か何かで眠らされて、気が付いたらベッドの上だったということかもしれない。だが、自分が「もう見たくない」と言っていた、岩城の映像の「現場」にいることまでは、まだ気付いていないようだった。
すると、個室のある側とは反対側の壁が、「がちゃり」と開いた。どうやら内側からは開けることの出来ないようドアノブなどが取りつけられていない、外側からのみ出入り可能な「隠し扉」があるらしかった。そしてその隠し扉から、パンツ一枚の男がドヤドヤと、10名ほど入って来た。
これからここで、「何が始まるのか」。それは岩城の映像から察するに、明らかだったが。しかし、カオリ1人と男10人というのは……と考え、それが奴らの「狙い」なのだろうと、俺は推測していた。そして、俺の想像通りの、いや想像以上のことが、そこで始まった。
カオリも最初は、ドヤドヤと入って来た男たちを見てビックリしていたが、すぐにその目付きが「獲物を狙う」かのように輝き始めた。明らかに、投与されている薬物の影響なのだろう。男たちはベッドの周囲にズラリと並び、どの位置からでもカオリを押さえつけることの出来るよう、またカオリをベッドから逃がさないような体勢を取った。だがそれは、「余計な心配」だった。自分の正面にいる男に、カオリの方から飛びついていったのだ。
カオリに飛びつかれた男は、そのままカオリを力任せにベッドの上に「どしん!」と押し倒し。カオリの着ていた薄い下着を、ビリビリッ! と引き裂いた。その時点ですでに、他の男数名もベッドの上に乗っていて、押し倒されたカオリの手足を掴んだ。ベッドの両側から足を掴んだ男2人は、カオリの足を「ぐいっ」と左右に押し広げ。両手を掴んだそれぞれの男は、カオリの手を自分の股間へ持っていった。その間カオリは特に抵抗する様子もなく、なすがままに足を広げ、掴まれた両手の指先で、左右にいる男のパンツをずり降ろした。
そしてカオリを押し倒した男も、穿いていたパンツを脱ぎ捨て。いきりたった性器を、カオリの股間へと「ずぼっ!!」と押し込んだ。「あああああっ!!」その瞬間、カオリは胸を張るようにして横になったままのけ反り、その時カオリの両手はすでに、両側にいる男の性器を激しくしごき始めていた。
カオリに挿入した男は、股間をぶつけるようにして激しい前後運動を繰り返し。そして股間をしごかれている男の脇から他の男の手が伸びて、カオリの乳房を揉みほぐしていた。カオリの足を押さえている男も、右手で足を押さえながら左手でカオリの太腿をまさぐったり、逆側の男はカオリの足の裏を自分の股間にあてがったりと、それぞれの欲望を満たすための行動に必死だった。
やがて腰を前後に振っていた男は、「う、うううっ!」と切ない声を上げ、全身をガクガクと震わせた。それから少しの間を置いて、そいつは自分の性器をカオリの股間から「ずるり」と引き抜いた。もちろんコンドームなどは付けておらず、そのまま「中出し」したことは明らかだった。するとカオリの右足を押さえていた男が、今度はカオリの股ぐらへと体を移動し。先ほどの男からほとんど間髪おかずに、カオリの股間に性器を挿入した。
先ほど「イった」ばかりの男は、さすがにベッドから少し離れて休んでいたが、他の男たちに囲まれたカオリを見て再び興奮して来たのか、カオリの頭の方へ回ると、先ほど股間から抜いたばかりの性器を、カオリの口の中へ押し込んだ。カオリもそれを拒まず、むしろ自分から性器に食らいついていったような気配すらあった。
こうして俺は、白い部屋で続けられる、凄まじいまでの「女1人と男10名の輪姦ショー」を、「個室」の中からじっと見つめるしかなかった。この様子では、男たちが一回イったくらいでは終わるまい。2周目、もしかしたら3周目まであるかも……。男たちの行動も、恐らく薬物の影響ではないかと思われた。AVにもこういった輪姦シーンはあるが、イった奴がここまですぐに回復するというのは、やはり薬の効果に違いない。
もはやベッドの上は、カオリの体でいかに欲望を満たそうかという男たちのうめき声と、性器を咥えながら股間に激しく腰をぶつけられて悲鳴のような喘ぎ声を上げるカオリの声が混ざり合う、異様な状況になっていた。そして、俺を個室に閉じこめているあのドアは、「これ」が終らない限り開くことはないのだろう。俺に最後まで、「これ」を見せつけるつもりなのだ。身体的な痛みを与える拷問では口を割らないと察して、「心理的な苦痛」を俺に植え付けるために。
そしてそれは奴らの狙い通り、俺が考えていた以上に、「効果」があったようだった。俺は個室の中でガックリと肩を落としつつも、カオリの喘ぐ姿を見ているしかなかった。なぜなら、カオリがSEXtasyを投与されているとするならば、いつ「相手の肉を食らい始めるか」わからないからだ。それだけは見たくないと思いながら、その瞬間を見逃すわけにはいかないという思いも同時にあった。恐らくその時が、カオリの「正気」を感じ取れる、最後の瞬間であろうから。
白い部屋の饗宴は尚も収まることなく、カオリはベッドを降ろされ、後ろから「ガツン」と突かれていた。カオリは「あう、あううう!!」と叫びながら、どこかに捕まろうと両手を伸ばし、こともあろうに、俺がいる個室の窓に向こう側から「べたり」と両手を付けた。これも「奴ら」の狙いだとしたら、大したもんだな……。俺は、唇が千切れるほどに「ぎゅっ」と噛み締めながら、何本もの男の手に体中をまさぐられ、後ろから激しく突かれ続ける、快楽に溺れ恍惚としたカオリの顔を正面に見つめていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます