第5話 痛みの時間

翌日。


母に普通に接しろと言われたものの、気まずいものは気まずい。


どんな顔して会えばいいかわからない。


どうやって私は綾と友達だったんだっけ。


ぐるんぐるん考えていたら、教室のドアに思いっきり衝突。





わたしって世界1不幸な中学生かも...と痛みと情けなさで、涙が出そうになった。


離れたところから声がする。


「ゆりかー?!」


大丈夫?と綾子が駆け寄ってきた。


「...痛い」


だよね、と苦笑しながら綾子が、私の頭をなでながら教室へ入った。


教室には当然、柳君もいるわけで。


綾子がおはようとクラスメイトに声をかけていく。柳くんも優しい声で返事をかえす。




・・・柳くん。



今思い返せば、わたしにはそんなふうに返してくれた事がなかったね。


みたくないのに、辛いのに、彼の姿に目がいってしまう。


彼の声聞いてしまう。辛いけど、やっぱり好き。


好きだけど、好きだから、柳君の恋は応援できない。

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