第4話 母との時間

私の好きなミルクとチョコレートを、母はそっとテーブルに置くや、いなや母も椅子に腰掛け一息つく。


沈黙が続いて、わたしから話し出す。


「友達の...話なんだけどさ」


「....うん(この後に及んで友達かい)」


母はわかっていたと思うが、だまって最後まで聴いてくれた。ある男の子に恋をして、失恋して、その子は親友が好きだったこと。


母はニコニコしていた。いや、ニヤニヤだな。


「かっこいいんだ。その子」


「うん…すごくかっこいいよ」


青春ねぇ、生きてるとそういうことがあるよ、人間関係どこでこじれるかわからないしねと母は諭してくる。


「ど、どうしたらいいかな?.....」


「親友の子には普通に接しなさいよ。別に嫌いなわけじゃないんだから」


「でも、気まずい」


「器ちっさ」


とケラケラ笑う母。本当のことを言われると腹が立つ。


「男の子が綾ちゃんを好きなのは変えられない。あんただって綾ちゃんのこと好きでしょ」


バレとるやんけ!っと心の中で突っ込みながらも、話したらなんだかすっきりしてきた自分がいた。






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