第3話 下校の時間

カバンも持たず、学校飛び出した。


家に帰ろうと思ったわけではないが、確実足は家に向かっている。帰巣本能だろうか。防衛反応だろうか。


帰りながらいろんな考えが頭の中を駆け巡る。


玉砕したなぁ、よりによって綾子か。。。

部活もサボってしまった。


この恋がみのるとは思っていなかったけれどフラれるキッツイなあ。


人生初の惨めとゆう感情を味わっている。


足取りが重くて、歩幅が短い。早く帰りたいのと裏腹に足が思うように動かない。


いつもなら20分程度の道が倍ぐらいかかっただろうか。


家に着き玄関を開けると、何事かと思うほどバタバタしながら母が駆けてきた。


強盗かと思っただろうか。


「ビックリした、早かったね」


「うん」


「...なんかあった?」


「...どうして?」


「どうしてって、帰ってくるの早いし、あんた目が赤いよ」


「え!」と驚いて黙っていると、じっと私をみて母は深く聞くことなくわたしを家へと向かい入れた。


我が娘ながら、泣くのが下手ねぇ、と沈んだ娘を見ながら思う母。








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