第2話 部活の時間

授業が終わり、みんなそれぞれの部室へ向かっていく。

私は部活をあまり真剣にやっているわけではなかった。

なにより教室の窓からからテニスコートが見えるから、なるべく準備をだらだら行っていた。


誠君が楽しそうにテニスをする姿を見ておかないと一日が終われない。


「ゆーりーかー!」


はっ!ふりかえると同級生の綾子が、仁王立ちでわたしのこと呆れた顔でみていた。


「部活にいくよ!」


「ちょ、ちょっとまって!、もう少しだけ!」


だるそうに、一分ね!と、なにかを察して猶予をくれた。

綾子は普段はクラスではおとなしいが、心を許した相手にはビシバシいってくる。

部活も勉強も真面目にやっていて、なんだかんだ頼りになる一番仲良くしている友達だ。


わたしが誠君を好きなことも話したわけではないが知っていて、さっさとこくっちまえ!と背中をいつも押してくれる。





ある日、授業が終わった後、たまたま教室に誠君と二人きりになった。


誠君は委員会の仕事で残っていて、一緒に入れるのがうれしくて、

ときめき過ぎているのが自分でもわかる。


「あの!さ、、、」


「ん?」


「ん?」だってあー可愛い!かっこいい!


しばらくいろんな会話をして、楽しくて、気持ちが好きが加速していく。


もうこんなチャンスないかもしれないと思った。


意を決して一世一代の告白をしよう。


すこし、深呼吸をして、


「誠君、、あの、、、、好き!です...」



誠君は、驚いていた。

「・・・・」すこしだまって、何か考えた後に言った。


「ありがとう、でも」


あー、、、ここですでに結末がわかる。


「おれ、加賀美が好きなんだ」


・・・・・その結末は知らなかった。


私は頭が真っ白になってその場から逃げ出した。






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