正しいとは何か、狂っているとは何か?
死が当たり前なら生きるのは異常で、生が当たり前なら死ぬもは異常。
当たり前、で片づけられる話であるが、現実はそう簡単ではない。
かといって、誰もが解放しがたい欲望を良し悪し関係なく持っているもの。
この作品に着目点は、真っ白なキャンパスが、如何なる形で、どのような色で汚されていくか。
描かれていくかではなく、汚れていく点である。
コインの裏と表、本当は裏が表なのか、裏が表なのか、本当のことは誰も知らないし分からない。
それが、この作品の底の深さと恐ろしさである。