第8話行ってきまーす

「離れませんよ……でも……」

「でも?」

「私は貴女の……妻でいいのかな……? になった悪魔です。私の妻……? でいいのかな? である、キエル様に殺害予告を送った奴を許せはしませんよ」

キエルはローラのその言葉に胸が高鳴った。

「そんなに私のことが好きになったのか。ローラ」

「好きになった……。うーん……」

ローラは腕組みをし、考え込んだ。

「なぜ考える」

「いえ。やっぱり、まだ心の整理出来てないかなって」

「さっきカッコいいこと言ったじゃないか」

「流れで言いました」

「私のときめきを返せ」

「そんなことより、私、もう行きますね。犯人逮捕に」

「私を置いてくのか?」

「ここなら安全て言いましたよね?」

「ぐっ……!」

「逮捕したら戻りますよ」

「わ、わかった……」

キエルはひとりになったときのことを考え少しずつ泣き出した。

「うう、さみしいよ……ローラ……」

キエルの言葉が届かなかったのか、ローラはあっさりと部屋から出て行った。

「じゃあ、行ってきまーす」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

イタズラ天使姫の罠に嵌められて婚姻させられた女悪魔ボディーガード シイカ @shiita

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ