4章 SFの中の僕
4-1
三カ月の間、あらゆる日々が俺を通り抜けていった。
たまに新しい事をやりながら、新しい友達を作りながら。
日々を過ごす俺の態度は、以前となんら変わりなかった。
誰も、俺の心情の変化など分かってはいなかっただろう。
ただ……心境に伴い、行動は少し変化していったように思う。
したいと思ったことはやるし、別になにもやらないで居てもいい。
だから俺は、それを両方ともやった。
新しく遊ぶ奴もできた。
だがそれらのことなど、あまり重要じゃないのだ。どうなろうと。
冬休みも、春休みも。
ずっと俺は、そんな気持ちで居られた。
◇
そうして、四月になった。
高校二年生となり、新学期初めての登校。
学校の玄関では、生徒達が、大きく張り出されたクラス替えの表に見入っていた。
皆、絵に描いたような一喜一憂を繰り広げる。
俺も自分のクラスを確認するために、人混みの隙間からその紙を覗き込む。
「あ、来たね一樹。」
「おお。おはよう」
朝、まだ眠かった俺は……太知に先に行ってもらい、遅れて登校していた。
最近はそういう日が多かった。
「俺は何組かなー、と」
「一樹……」
「ん?」
「……一樹は、四組だよ」
「ああ、本当だ」
「僕たちと、別々になっちゃったね」
太知と野中は、二組で一緒になっていた。
「どうせ放課後は遊ぶんだし、今までと変わんないだろ?それに、野中はずっとあの調子だし」
俺のあの宣言以降。野中は、俺に対してとげとげしい態度だった。
けどそれも仕方ないのかもしれないと思い、俺は受け入れている。
「うん……そうだよね。……変わんないよね」
「ああそうだ」
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