07-45 ヤッちゃったあと

 帝国歴一〇七九年十一月十一日、バャハーンギール公子を名目上の最高司令官とするヘロンの帝国軍はカゲシンへと向けて進発した。

 ケイマン対策としてヘロンにはある程度の軍が残された。

 指揮を執るのはクトゥルグ、じゃなくて、ガーベラ・レザーハミド。

 残存希望者が少なく、この人事となっている。

 しかし、ベーグム家は本当にガーベラ家へと家名を変更してしまったようだ。

 いいんだろうか?


 で、現在、絶賛行軍中なのだが、妙に雑事が多い。

 いや、殺人的に多い。

 オレのテントには今もタルフォート伯爵第一正夫人が娘を引き連れて訪問している。

 オレに紹介するためだ。


「すまぬが、その娘の魔力量ではキョウスケの相手は無理だな。

 正夫人はもっと無理であろう」


 対応しているのはネディーアール殿下。

 あの日以来、すっかりオレの第一正夫人気取りである。

 えーと、ですね。

 まあ、ヤリました。

 普通に、というか、一通り、というか、とにかくヤリました。

 正直に言いますが、良かったです。

 この子、多分、かなりの『名器』だ。

『三段締め』とかいう奴だろうか?

 反応もすんごくいい。

 最初は、キスはダメとか、口でするのもダメだとか、妊娠はまずいから中出しはダメ、出すのは後ろの穴だけとか、色々と言っていたのだが、最終的にはオールオッケーになりました。

 魔力量も高いので、オレが頑張っちゃっても大丈夫なのもいい。

 見た目というか容姿は芸能人クラスだし、満足度は過去最高。

 地球時代も含めて過去最高。

 ちなみに、ネディーアール殿下もいたく満足されたらしい。

 オジサン、いや、オニーサン頑張った甲斐がありました。


「それは殿下には劣りますがこの子も正魔導士同等の魔力はあります」


「キョウスケは魔力量が多いだけでなく、性欲過多の絶倫なのだ。

 アレを満足させるのは並大抵ではない。

 女だけ一方的に気持ちよくなって果てていてはキョウスケを満足させられぬ。

 女として、穴として、高い能力が求められるのだ。

 同程度の魔力量の侍女がいるが、キョウスケの相手は四日に一度が限界だ」


 うっとりとした顔でとうとうと語るお姫様。


「昨日は七回キョウスケとした。

 今日も朝から三回している。

 おかげでマナは溢れんばかりだ」


 タルフォート伯爵母子が呆気に取られている。

 ネディーアールの独壇場で、オレたちは何もすることが無い。

 一歩控えて眺めているだけだ。




「ネディーアール様、スゴイ惚気ですね」


 ハトンがうっとりとした顔で評する。

 惚気、なのか、あれ?


「どーして、たった数日で、こーなるかなぁー」


 アシックネールはこめかみを押さえている。


「大体、ですねぇ、未経験の女性の初めてなんて、『気持ちよかった、ポッ』ぐらいで充分なんですよ。

 それを、ここまでかっちり堕としちゃって、どーすんです!」


「そりゃ、仕方が無いだろう。

 初めてで痛くて、もうできないとか言われても拙いし」


 そりゃ、全力で行ったよ。

 ナディア姫に『オジサン下手ね』なんて言われたら、軽く百回は死ねる。

 ありとあらゆるテクニック総動員で臨みましたよ。


「オレの努力と技術で初体験を気持ちよく終えられたんだから、良かったじゃないか」


「だーかーらー、ヤリ過ぎだって言ってんじゃないですか!

 初体験の子に、いきなりア〇ルアクメ決めてどーすんです!」


「えーと、いや、感じないより、感じた方がいいと、・・・」


「いきなり顔にぶっかけたのもありましたよね!」


「あー、あれは、わざとじゃない。

 ほら、最初、前の方は中に出さないって話だっただろ。

 それで、引き抜いてお腹の上に出そうとしたら、勢いがあり過ぎて、結果的に顔射になっちゃっただけで、・・・」


「それで、朦朧としたところで無理やり口にねじ込んで」


「いや、あれは、ネディーアール様が自分から咥えただけで、・・・」


「あっ、それは私も見ました。

 ネディーアール様が自分から咥えたのは確かです」


 ハトンがオレに加勢する。


「多分、ご主人様の精液の匂いにうっとりしたんだと思います」


 ・・・そうだったのか、・・・。


「キスもしないで。いきなりフェラなんて」


「え、でもそれは、私もそうでしたし、アシックネールさんもジャニベグさんも、遡ればタージョッさんもみんなそうだったと思います」


 アシックネールの文句にハトンが変な記憶力をみせる。


「そー言われれば、そうだった、かしら?」


 そーね、ジャニベグ=アシックネールとの初回は二人に服引っぺがされて、シャブられて無理やり勃たされて、だったからな。


「これはカンナギ家の伝統です!」


 無意味に得意気なハトン。

 誰だよ、こんな意味不明の伝統作った奴、って、オレか?


「それは兎も角として、そのまま頭を押さえつけて、喉の奥に突っ込んで、流し込んだのはキョウスケですよね?」


「う、いや、それは、その、・・・つい、・・・勢いと言うか、・・・」


 予想外に気持ちよかったというか、興奮したというか。


「控えめに言っても鬼畜です!」


「あー、でも、ネディーアール様も喜んでおられましたし」


 アシックネールの断言にハトンが再び反論する。


「そうね、それが最大の問題よね」


 ハァーっと溜息をつく赤毛のブローニング。


「初めてでいきなり喉の奥に突っ込まれて、流し込まれて、それで潮吹き絶頂って、・・・あの子、以前から被虐趣味の気があるとは思ってたけど、ここまでとは」


「え、でも、すっごく良かったです!」


 憂鬱の赤毛に目をキラキラさせるオレンジ髪の少女十二歳。


「宰相閣下から頂いた『淑女の躾け方』に『精を飲むだけで絶頂出来るのが理想』とあったんですけど、今一つ分からなかったんです。

 でも、実例が見られて、とっても参考になりました!

 感激です!」


 そうか、ハトン感激、だったか。


「私もネディーアール様みたいに飲むだけで絶頂出来るようになります!」


「あの、ハトン、ネディーアールの例はかなーーーーーーーーり特殊だから、マネしないでほしいんだけど」


 アシックネールがこの手の事で止めに入るって、新鮮だな。

 ちなみに、ネディーアール本人からは、毎日一回は喉の奥に流し込んでくれと言われたが、アシックネールから禁止令が出ている。

 顔射も同様だ。

 体外に出すのは倫理的に良くない、完全にダメとは言わないがグレーだから、らしい。

 相変わらずこちらの倫理観はわからん。


「あのなー、アシックネール、色々と言いたいのは分かるが、だったら途中で止めろよ。

 お前、付き添いで入ってたじゃないか。

 気が付いたら、ネディーアールの顔にかかったのを舐めてたが」


「あーうん、それは、まあ、それとして、・・・」


 斜め上を向いてとぼける赤毛。


「いま、言いたいのは、キョウスケが明らかにヤリ過ぎたってことです。

 最後は、前に中出しで絶頂させちゃったじゃないですか!

 それも、連発!

 前には中出ししないって約束だったのに!」


「いや、でも、あれは、本人が望んだからだぞ。

 あと、妊娠はさせないようにしている」


「当たり前です!

 内公女が結婚前に妊娠したら大問題ですよ!

 大体、ネディーアールから言い出したって言いますけど、イク寸前で止めて、ここに出してほしいですかって何度も聞いたからじゃないですか!」


「あー、いやー、それはー、・・・」


「十回以上『中に出してー!』って言わせるなんて、無茶苦茶です!」


「いや、それは違うぞ!」


 一応、反論する。


「オレが言わせたのは八回だけだ」


「あー、はいはい。

 だから何です?」


「二〇パーセント以上違うじゃないか!」


「・・・えーと、ですね、問題は、ネディーアールが完全にセックス中毒になっちゃってるって事です!

 あの子、もう毎日ヤル事しか考えてないですよ!」


 全く、一晩で堕とす方も堕とす方なら、一晩で堕ちる方も堕ちる方です、などとブツブツ文句を言う赤毛。


「あのな、だから、だったら止めれば良かったじゃないか。

 直後に『次はワタシ!』とか言って乗っかってきた見届け役がいたが」


「だって、あんなの見せられたら仕方がないじゃないですか!」


「確かに、あれは見学しているだけで、イキそうになりました。

 スルターグナさんなんて、早々にリタイアしてましたし」


 同席していたはずのスルターグナが大人しいのは、開始一〇分で意識が跳んでいたから、らしい。

 部屋に充満するオレたちのマナに当てられ、開始直後から勝手に自慰行為を始め、気が付いたら失神していたという。

 後で検証したところでは、換気にもよるが、オレとネディーアールが本気で行為に及ぶと、正魔導士未満の魔力量では意識が跳ぶ確率が高い。

「私は永遠に見学できないのでしょうか」とスルターグナは絶望していた。

 永遠に絶望していてほしい。




「おう、話は終わったぞ」


 グタグタ話しているうちに交渉は終わっていたらしい。

 タルフォート伯爵夫人らは既に引き上げていた。


「すいません、聞きそびれましたが、タルフォート伯爵令嬢をキョウスケの正夫人にという話は流れたのですか?」


「まあ、そうだ」


 アシックネールの問いにネディーアール殿下が端的に答える。


「では、もうお帰りで?」


「いや、しばらく預かることになった。

 支度を整えて、また来る。

 キョウスケの子種だけでも欲しいそうだ。

 流石に断れん」


 この辺りの感覚が本当に分からん。

 モーランの女たちもそうだが、妻になれないなら子種だけでも、と迫ってくるのだ。

 他の男の種で孕んだ女がまともに結婚ができるのかと思うのだが、そーでもないらしい。

 シャールフ殿下は例によって精子をばらまいていて、うち何人かは妊娠、との話になっている。

 最初の方でも半月も経っていないから『生理が遅れている』ぐらいで妊娠確定ではないのだが、既に婚姻の申し込みが殺到しているらしい。

 平民出身の独身女性曹長が、地方騎士とか準男爵とかの第二第三正夫人に望まれているという。

 生まれてくる子供、恐らくは女性を自分の息子の伴侶にするためだ。

 高位貴族の種であればコネができるし、高位魔導士の種であれば魔導士として使える。

 高位貴族で魔力量も多いシャールフ殿下の種は大人気である。

 聞けばタルフォート伯爵家は、シャールフ、バフラヴィー、オレ、更にはレザーワーリに女性を提供して孕ませてくれと依頼しているらしい。

 他の貴族家からも似たような話があり、オレの宿所前には年頃の娘が列をなしている。

 軍事系だけでなく、なぜか宗教貴族系からの話も少なくない。

 ちなみにアナトリス侯爵は、バフラヴィー、シャールフに正夫人を入れる話を諦めていないそうで、今のところオレへの接触はない。


「キョウスケが心配する必要はないぞ。

 ちゃんと其方の趣味を考慮して、筋肉が多い女性は避けるよう交渉している」


 ネディーアールがいい笑顔で頷く。

 しかし、そんなに悪くない女性といっても、既に十人単位になっているのだが、・・・これ、全員とやって、全員孕ませなきゃならんのだろうか?

 婚外子量産って、オレの感覚では人でなしなんだが。




「それについては割り切るしかない」


 今回改めて相談したバフラヴィーは『割り切れ』と助言した。

 聞けばバフラヴィーは既に庶子の数が分からないという。


「其方はこれまで食べたパンの数を覚えているのか?」


 どっかで聞いたような発言だが、内容は女とヤル話だ。


「正直なところ、私が自分の子と認識しているのは正夫人が生んだ子供だけだ。

 あとは、知らん。

 平民出身の其方には感覚が追い付かないのだろうが、向こうが望むのだ。

 それを断れば恨まれる。

 相手の娘を孕ませてやれば向こうは恩に着て友好的になる。

 少なくとも敵にはならん。

 出来が良ければ引き取ることもできる。

 レザーワーリは庶子出身だ」


 バフラヴィーも最初の子供は庶子らしい。

 高位貴族ではその方が多いそうだ。

 逃げ場はない、ようだ。




「なにはともあれ、今日のノルマを始めようではないか!」


 そして、何故かヒジョーにテンションが高い姫様。

 そう、これからの時間、オレには天国と地獄の抱き合わせパックが待っている。


 それは、ヤっちゃったあとの事だった。

 オレが仕事であたふたしている間、ネディーアール=アシックネールのコンビが勝手にモーラン家に行って交渉していたのである。

 基本は、モーラン家からの正夫人輿入れを阻止する事。

 これは、まあいい、というか望ましい。

 だが、交換条件が付いてきた。

 モーランの女たちを孕ませろとの話である。

 アーノルド・シュ〇ルツェネッガーやスティーブン・セ〇ールを孕ませろ、つまりヤレという話を二人は承諾してきたのだ!

 オレの第一正夫人として!

 更には、牙族捕虜も順次ヤッて可能な限り孕ませると約束したという。

 正気の沙汰ではない!


「そうは言うが、この問題、何時かは手を付ける必要があろう。

 放置して風化する話ではない」


「ネディーアール様の言う通りです。

 それに、対策は考えてあります」


 アシックネールが言う対策は『スルターグナ方式』だった。

 以前にも書いたが、オレはスルターグナとは一度もまともにヤッていない。

 オレが真面にスルターグナの中に出したら、彼女は大変なことになってしまう。

 数日は動けない、下手をするとショック死まで有り得る。

 以前、タージョッ相手の時には、『極少量出す』というアクロバティクを強いられ、セックス恐怖症になりかけたので、対策として考えたのがこの方法だ。

 アシックネールやジャニベグに中出しして、精液が付いた状態でスルターグナに突っ込む。

 それで、何回か腰を振ると彼女は絶頂失神するのだ。

 アシックネールたちとスルターグナの魔力差が大きいため可能となった話である。

 だが、スルターグナは従魔導士、モーラン家の娘たちは正魔導士以上、上級の者もいた。

 これでは、スルターグナ方式は無理だ。


「そこで、ネディーアール様、ですよ。

 全く、相手によって出す精液の濃度が変わるって、それもこんなに極端に変わるなんて、キョウスケの体はどーなってんですかね?

 私やジャニベグさんの時と、ネディーアール様の時で魔力量が倍ぐらい違うんですけどぉ。

 私、結構、屈辱なんですけどぉ」


 つまり、オレがネディーアールに出した『濃さ』であれば、モーランの女性たちも何とかなるだろう、との読みだ。


「しかし、スルターグナ方式だと妊娠は無理だと思うが」


 女性は満足するかもしれないが、妊娠には流石に精液量が足りない。

 そして、オレはあの筋肉相手では射精できない自信がある。


「そっちは、・・・実はあんまし使いたくないんだけど、最後の連続中出しだと大量に溢れてるでしょう」


 カナンの医学界では人間の人工授精はほぼ不可能とされている。

 こちらの医学は地球からみれば歪に発展しているのだが、人工授精関係もその一つだ。

 カナンでは、一般動物、簡単に言えば家畜の人工授精はほぼ確立している。

 牛と豚で行われているそうだ。

 一方で、人間、特に魔力量の高い男性の精液での人工授精は不可能とされている。

 この世界の人間、特に魔力量の高い人間の体液にはマナが含まれる。

 このマナは体外に出ると、具体的には空気に触れると急速に放散していく。

 男性の精液はマナ濃度が高い状態でのみ生殖能力がある。

 精液のマナ濃度が低下すると精子が死滅するのだ。

 冷凍保存でも無理らしい。

 更に、事態をややこしくしているのが、こちらの風習だ。

 男性の自慰行為が最低究極の変態行為だから、精液だけを採取することが困難になる。

 そして、こちらの女性の体は男性のマナを急速に吸収する。

 つまり女性の体内に出された精液はほとんど残らない。

 正確には、その残滓、医学的に言えば前立腺液は残るので『初夜の儀』などでの確認には問題ない。

 だが、精子は残っていないので人工授精には使えない。

 しかし、今回、ちょっとした例外があった。

 ネディーアールとのセックスで、最後に連続で中出ししたところ、流石の高魔力を誇る彼女でも直ぐには吸収できず、かなりの量が逆流したのである。

 そこには、元気な精子が残っていたらしい。

 え、何で分かったのかって?

 それはアシックネールが舐めたからだ。

 女性から漏れ出た物の処理は侍女の務め、というか権利、らしい。

 ちなみにハトンも舐めている。


「キョウスケがネディーアール様の中に出した精液は極端に濃いですからね。

 多少劣化しても正魔導士、上級魔導士の女性を妊娠させる濃度はあると思うんです。

 中出しされた大量の精液を採取して、失神している女性に注入すれば、結構な確率で妊娠するのではないかと」


 ネディーアール様の妊娠リスクがあるのが問題ですが、とアシックネールは言った。

 確かに、その方法だと妊娠可能かもしれない。


「キョウスケに対しては、その能力を評価しつつも変態性癖に戸惑う貴族が多いわけです。

 その中で牙族のモーラン家は正面からキョウスケを評価してくれる家です。

 ですが、何時までも好意を袖にしていれば、評価が逆転しかねません」


 確かにね。

 オレから見れば驚異の筋肉集団だが、彼らの基準では『美人』なわけで、こんな美人を宛がっているのに一度も手を出さない、というのが不味いのは理解できる。


「ネディーアール様と私で頑張って交渉してきたんですから、キョウスケも決断してください!

 かなり、いい条件だと思いますよ!」


 二人が交渉で勝ち取った条件、特筆すべきは『捕虜』、特に『妊娠した捕虜』の所有権、らしい。

 モーランに大目に配分するが、基本所有権はオレだと認めさせたという。


「問い合わせが殺到してるんです。

 融通してやれば多くの貴族家と友好関係を築けますし、経済的にもお得です」


 ラト族捕虜はガチムチ筋肉、じゃなくて、体格の良い一流の戦士が多い。

 ケイマン族総司令部の捕虜となると、戦士として優秀なだけでなく文官としての能力も高い者が多い。


「そんな女性で、おなかの中にはキョウスケの子供がいるんですよ!

 融通してくれれば礼は弾む、よーするに言い値で買うって話が殺到してるんです!」


 托卵されてる女を言い値で買うって、相変わらずよく分からんが、政治的経済的にはとっても有利だと。

 そんなことで、オレも観念した。

 まあ、壁尻と割り切ればどーにかなる、・・・と思ったのだ、その時は。




 んで、初日で泣きが入った。

 初日、ヤルだけの女性六人と、妊娠させる予定の女性一人が選定されたのだが、まあ、現実ってー奴を舐めていたと後悔した次第。

 ネディーアールとヤル、出す。

 その直後に、侍女たちにより前処置が施された女の穴に突っ込み、腰を振る。

 女が絶頂失神したら、またネディーアールとやって、の繰り返し。

 天国と地獄のシェットコースターである。


 女たちは全員、後背位で待ち構えている。

 これは正常位では興奮した女に抱き着かれる可能性が高いからだ。

 顔を見なくて済むという利点もある。

 だが、その尻は極めて大きく硬い。

 形も四角い。

 ムダ毛処理の概念が無いらしく陰部はボウボウ密林状態。

 ジャングルの中で井戸を探り当てて突っ込む感じ。

 オレの好みを知る侍女たちが洗ってくれたので臭いはさほどでもないが、音声も酷い。

 恐らく、多分、推測するに、喘ぎ声なのだが、全部、濁点が付いている。

 例えるならトロールの呻き声。

 オレ、ボブ・〇ップとかスティーブン・セ〇ールに何を期待してたんだろう?

 これ、割り切って何とかなるレベル?

 極め付きが妊娠予定の女性。

 ケイマン・オライダイの娘で容姿の整った文武両道の美人、との触れ込みだったが、身長一九〇オーバー、体重一四〇オーバーという時点で察して欲しい。


 そんなことで、初日で泣きが入ったオレなのだが、女性陣が許してくれない。

 捕虜たちには通達してしまっている。

 今更中止したら暴動が起きかねない、とかなんとか。

 せめて一日の人数を減らすよう交渉した。

 幸いなことに、アシックネールがこれに賛同する。


「あのね、ネディー、一日七回って明らかにヤリ過ぎだから。

 あなた、明らかにセックス中毒になってない?」


「仕方がないではないか。

 ちんたらやっていては、捕虜の処理が進まぬ」


「それは、何とかしますから。

 中断でなければ不平は出ません。

 つーか、モーラン家からもハイペースに過ぎないかって心配されたぐらいです」


「いや、根本的な話としてキョウスケは性欲過多なのだ。

 性欲が有り余っているから男一人愛などという愚行に走る。

 第一正夫人として性欲を十分に発散させるのは義務であろう」


「いえ、キョウスケは私とハトンと侍女たちで充分発散出来てましたから。

 ネディーアール様が来て一日の回数が倍以上、内容的には三倍以上ですよ。

 過度に発散する必要はありません」


「そうか?

 今までは我慢していただけであろう。

 のう、キョウスケ?」


 そう言いながらオレにしなだれかかり胸を押し付けながら人の股間をさするお姫様。

 とんだ痴女だ。

 だが、それに反応してしまうオレ。

 だってしょうがないじゃないか!

 芸能人クラスの美少女が発情しきった顔で迫ってくるんだよ!


「そーゆーことで、明日もノルマは十人だな」


 筋肉魔人十人でしょうか?


「だから、ノルマは減らしたいかなーと」


「言っておくが、捕虜のノルマは減らしても、私のノルマは絶対に減らさんからな!」


「結局、ネディーがやりたいだけでは?」


 諦め顔で意見するアシックネール。

 何故か、感動の眼差しのハトン。


「第一正夫人が夫とヤルのが何が悪いのだ?」


 この子、開き直ってない?

 なんで、この子、こーなっちゃったの?

 オレ、どーなるんだろう?

 お姫様の顔がサキュバスに見えてきた今日この頃。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る