04-14S ベーグム・レザーワーリ 初陣(二)
先にも書いたが、私は自分の初陣であるにもかかわらず、ろくに準備も下調べもしていなかったから、戦いについても、戦う相手についても、ほとんど何も知らなかった。
だから、現地に着いたら直ちに敵と相対し、速やかに戦闘状態に入ると考えていたのである。
周囲の者の何人かは、我がベーグム師団が到着したら相手は恐れ戦いて軍を引くだろうと予測していた。
ろくに戦いにはならないという予測である。
私は、全く分かっていなかったが、そうなることを強く願っていた。
勿論、師団の大半の者は戦争を望み、敵が戦うことを期待していたから、私も自分の密かな願いを公にして周囲から白い目でみられるような事はしなかったが。
師団の者達が、そして、父と兄が戦争を望んでいたのは、戦って勝つことが必要だったからだ。
私が読んだかの『最終皇帝』の手になる軍書には、「戦わずして勝つことが最善」とあったが、父も兄も、そして他の一族の者も、そんな物は紙の上でよく見えるだけで、空に浮かぶパイだと断言した。
『勝利』にはそれ自体に意味があるのだと。
軍人にとって戦場での名声以上の物は存在しないのであって、ベーグム師団はそれが骨身にしみている。
ベーグム家が、ベーグム師団が現在の苦境にあるのは戦場で負けて、先代師団長が戦死したことが大きな原因なのだ。
戦場の恥は戦場で雪ぐしかないのだと。
そんな風に、皆が強く戦いを望んでいたのであるから、直ぐに戦闘状態に入るのだと考えていたのである。
ところが、いざ現地に着いてみれば随分と話が違った。
龍神教徒は問題となった白龍川の分岐点を占拠して水を自分たちで独り占めにしていた。
龍神教はこの分岐点の周囲に五〇〇〇人、周辺一帯で一万人の軍隊を動員して守りを固めていた。
対する現地領主のレトコウ伯爵もまた七〇〇〇余の軍を率いてこれに対峙していた。
我がベーグム師団とレトコウ伯爵の率いる軍を合わせれば二倍とは行かないが充分に優勢である。
直ちに攻撃を仕掛けてよいはずだが、レトコウ伯爵はこれを拒んだ。
「カゲシン宗主様からも穏当に解決するようにと言付かっております。
まずは交渉で解決を目指すのが妥当かと」
師団司令部を訪ねたレトコウ伯爵はそう言って父を苛立たせた。
「最初から交渉で、などと言えば敵がこちらを侮るのは当然ではないか。
交渉するとしても、まずは一撃喰らわせて、どちらが主人なのかを分からせてやる必要が有る」
だが、レトコウ伯爵は交渉に拘った。
父は何とか戦いに持ち込もうと色々と動いていたが、最重要目標である白龍川分岐点の前面にはレトコウ伯爵の直属軍とその影響下にある諸侯の軍が陣を敷いている。
白龍川分岐点を攻めるとすれば味方陣地を超えて行う必要が有るわけで、彼らがそれを拒めば如何ともし難い。
味方を踏み潰すわけには行かないからだ。
更に困ったことには、陣地では流行り病が蔓延し始めていた。
レトコウ伯爵の軍にはかなりの被害が出ていたのである。
伯爵が交渉に拘るのも故無しではないのだ。
レトコウ伯爵軍はろくに戦えないし、流行り病で満ちている陣地に隣接して我が師団を配置するのも得策とは言えない。
やむなく、師団はレトコウ伯爵軍から距離を取って陣地を築いた。
最重要目標から離れた位置に陣を敷いたのだ。
直ちに戦うという選択肢はこの時点で事実上放棄されたのである。
流行り病、レトコウ伯爵軍の医師が言うところではマラリアかチフスは、なかなか治療がうまく行かず、苦慮していた。
勿論、父は師団の医師を派遣して協力した。
医師の技量はカゲシンが最高である。
師団の主席医療魔導士はウルスト・マドフハース師で、施術科と薬術科の金色徽章を持つ一流の医師である。
幸いだったのは兄がやる気を取り戻した事だろう。
武芸大会の挫折から立ち直りつつあった兄は、戦争を渇望していた。
そのためには流行り病を速やかに沈静化する必要が有る。
大本の指示を出したのは父だったが、物資の調達や人員の手配など細々とした指示を出してウルスト医師を助けたのは兄であった。
兄の復活には、師団に同行したチュルパマリク様の生活が落ち着いていたことも大きかっただろう。
戦地にはチュルパマリク様の気に入る美少年が居なかっただけかもしれないが、とにかく、彼女は兄の傍にいてその精神を鼓舞し続けた。
兄とウルスト医師は本当に寸暇なく、寝る間も惜しむように奮闘した。
兄たちが参加して、わずかに三日、ウルスト医師は流行り病がマラリアではないことを突き止めた。
マラリアの治療薬を大量に取り寄せて患者に投与したが改善しなかったのだ。
これにより、病気がマラリアでないことが確定した。
医師団の指揮を執ったのはウルスト医師であるが、マラリア治療薬を手配したのは兄であった。
商人たちを叱咤し、迅速に大量の薬剤を入手した手腕は素晴らしい物だろう。
ウルスト医師は患者の治療でも成果を上げた。
使用したのは最近、カゲシンで開発された高級医薬品である。
今年の二月から三月にかけてカゲシンを騒がしたフロンクハイトによる性病騒ぎを撃退した薬で、ペニシリン系抗生剤というらしい。
流行り病に対しては従来の薬とは比べ物にならない程の効果を発揮する。
これを使用したことにより数名の患者の病状はかなり改善した。
素直に大したものだと私は感心したのであるが、残念ながら事は簡単ではなかった。
高級医薬品は値段も高級であり、作製できる者が限られるため、量が足りない。
ウルスト医師ですら自力では調合できないのだ。
師団では多めに用意していたが、本来、高級将校に対してのみと想定していた薬であったから、全然足りない。
このため一時的には改善した患者も再び悪くなって死んでいった。
勿論、兄はカゲシンに早馬を出して薬の追加を要請したが、届くのにはかなりの時間が必要となる。
そのようなことで、状況は悪化した。
流行り病は収まらず、病人が増え、死者が増加した。
父と兄は、流行り病は無視して攻勢をかけ、速やかに敵を鎮圧し、その後に部隊を撤退させて兵士を治療するという案をレトコウ伯爵に提示したが、返事は芳しくなかった。
レトコウ伯爵軍では撤退を真剣に議論していたという。
それだけ流行り病が深刻だったのだ。
我々は、八方ふさがりの状況に陥った。
レトコウ伯爵軍は戦える状況ではなく、レトコウ伯爵軍が撤退してしまうと、我らが単独で対陣を継続するのは困難になる。
この戦場での最高責任者は父、ベーグム・アリレザーだ。
貴族位階も軍人としての階級も最上位である。
だが、この戦いは対外戦争ではなく、あくまでもレトコウ伯爵領内の紛争鎮圧なのだ。
ベーグム師団はレトコウ伯爵の要請で出陣しているのだから、レトコウ伯爵が居なくなれば戦争の口実が無くなってしまう。
父と兄は、何とかレトコウ伯爵本人だけでも残って欲しいと要請したのだが、これまた芳しい返事は無かった。
師団の出征は莫大な費用が掛かる。
出征して何の成果もないのでは政治的には師団の存在意義を問われるし、経済的にも大きな損害となる。
だが、どうすればよいのか?
レトコウ伯爵軍は戦えないし、伯爵を無視して攻勢をかけることはほぼ不可能だ。
父は、レトコウ伯爵にもう少しだけ対陣を継続してくれるように頼みこんだ。
数日後にクロスハウゼン家の部隊が到着する。
龍神教とレトコウ伯爵の間を仲裁するために派遣されて来る部隊であるから、彼らが来る前に撤退するのはカゲシン宗主に対して失礼という理屈である。
父は、医師団がその間に流行り病を終わらせることに望みをつないだのである。
当初は、仲裁人が到着する前に戦って勝利を収める予定だったのだから、何とも皮肉な話であった。
結果から言えば、クロスハウゼン大隊が到着するまで事態に進展は無かった。
病人と死者は増加し、更には我がベーグム師団にも数人ではあるが病人が出始めていた。
極めて切羽詰まった状態だったといえるだろう。
大隊を率いてきたのはクロスハウゼン・バフラヴィー殿。
クロスハウゼン師団長の孫で、父親が死去しているのでクロスハウゼン師団の次期師団長と目されている人物だ。
兄より二歳年上で、三年前、十八歳の時に武芸大会で優勝している。
兄とバフラヴィー殿とは何かと比較される関係で、そしてほぼ全ての点で兄が負けているため、兄にとっては劣等感を刺激される存在であった。
今回も来たのがバフラヴィー殿と分かった時点で兄の表情が歪んだ。
更に、師団司令部に挨拶に訪れたバフラヴィー殿はスタンバトア様とトゥルーミシュ嬢を伴っていた。
スタンバトア様はバフラヴィー殿の第一正夫人だ。
カゲシン宗家内公女で現在の宗家一族では有数に魔力が有る方だ。
夫婦仲も良く既に嫡子を得ている。
今回の遠征にも同行していたのだ。
兄の第一正夫人は今回の遠征には同行していない。
そして、兄の誘いを断ったトゥルーミシュ嬢が成人して初陣とのことであった。
バフラヴィー殿に悪気はないのだろうが、兄にとっては相当な屈辱であった。
そして、ここで、更にまた事件が起こる。
父はバフラヴィー殿に流行り病について説明した。
どう考えても隠し通すことはできないから説明しないわけにも行かない。
それに対してバフラヴィー殿はカゲシン施薬院の『全金徽章』の常任講師を連れてきていると答えたのである。
大隊規模の部隊に医療部隊が付随しているのも稀だが、それが施薬院『全金徽章』持ちだというのだから驚愕である。
施薬院『全金徽章』持ち、特に現役の者は施薬院でも十人に満たないと聞く。
そのような最高級のエリート医師が何で戦場にとの話だが、取りあえずは朗報だろう。
父は早速、その医師を召喚した。
ところがやって来たのはやたらと若い男だった。
カンナギ・キョウスケ。
聞いた事のない名字と風変わりな名前を持つ男である。
聞けば十六歳だという。
私と一歳しか違わない。
ところが、それで施薬院の『全金徽章』を獲得している、つまりウルスト医師よりも上だというのである。
当然ながら、彼の資格についての疑義が出されたのであるが、それは思いもかけぬところから保証された。
チュルパマリク様である。
なんと、彼女の顎の手術を担当したのがカンナギ医師であった。
チュルパマリク様の顎はウルスト医師もどうにも出来なかった経緯がある。
技量はある、ということで、カンナギ医師は流行り病の治療に加わることになった。
結果はこれまた驚愕だった。
カンナギ医師はその日の内に流行り病が『マラリア』であることを突き止めた。
ウルスト医師らが下した診断は間違いだったのだ。
更にはウルスト医師と兄が苦労して集めた薬はマラリアの治療薬では無かった事も判明した。
そんな馬鹿なことがとは思ったのだが、反論しがたい論拠を示されたらしい。
ウルスト医師の、そして兄の面子も丸潰れである。
そしてカンナギ医師は、マラリアが敵によって蔓延させられたという事実まで指摘した。
マラリア治療薬は龍神教の後ろ盾の一人と目されるクテンゲカイ侯爵によって買い占められていたのである。
つまり、ここから撤退するしないに係わらず、病人を救うためにはクテンゲカイ侯爵に頭を下げて薬を売ってもらう必要が有るのだ。
この時点で政治的に大きな敗北であった。
激論の末、最終的に、父はクテンゲカイ侯爵に頭を下げることを良とはしなかったが、レトコウ伯爵はその屈辱に甘んじることになり、父もそれを咎めることまではできなかった。
それだけ、レトコウ伯爵軍の損害が大きかったのだ。
レトコウ伯爵はクテンゲカイ侯爵に対して『薬代』として大金を支払った。
ベーグム家は、クテンゲカイ家に金を払うことは無かったのだが、間接的にはかなりの損害になってしまった。
ウルスト医師と兄が大金をかけて集めた『マラリア治療薬』が偽薬だと判明してしまったからだ。
これの代金はベーグム師団で建て替えていて、後程まとめてレトコウ家に請求する予定であったが、とても請求できるものではない。
更に、カンナギ医師は現地で『高級医薬品』を作り、それを特別に安く提供した。
何と彼は自力で『高級医薬品』を作れるというのだ。
格安で提供したのは、レトコウ家の財政事情が悪くなっていることへの配慮という。
慈悲に厚い行為だが、ベーグム家がそれ以前に提供した『高級医薬品』もそれに合わせた値段にせざるを得なくなった。
結果としてベーグム家の財政は、元から厳しかったのではあるが、一層ひどくなり、差配していた兄は怒り狂い、私や他の側近に当たり散らしたのである。
表立って言えない分、一層ひどくなったのだ。
そんな中、困ったことに、チュルパマリク様がカンナギ医師を自分の寝所に誘う、それも司令部での会議の最中に実行するという事件が起きた。
実は、父アリレザーはカンナギ医師が従者として連れていた婚約者の少女、モローク大僧都家の娘で十五歳になったばかり、を気に入って自分のものにしようと画策していた。
司令部に最初に入ってきた時点で目を付けていたらしいが、チュルパマリク様はそれを直ちに察知してしまわれた。
そして自分が先にカンナギ医師を誘うという挙に出たわけである。
確かにカンナギ医師は若く外見も整っていたのはある。
斯くして、師団長夫妻が公の会議の真っ最中に夫婦でそれぞれ相手を口説くという、敷布の下に潜りたくなる様な異様な状況に我々は陥った。
誰もが当惑する中で、ただ一人、兄だけはカンナギ医師がチュルパマリク様の誘いを無視したことに憤っていたのであるから、まあ、生母信仰には限りが無い。
尤も、カンナギ医師がチュルパマリク様の誘いに乗った場合でも兄が激怒したであろうことは間違いないだろうが。
更に、カンナギ医師がトゥルーミシュ嬢と親し気に談笑していたこともまた兄の感情を逆なでしたようだ。
私も年が近いのでトゥルーミシュ嬢と自護院で一緒になった事はある。
だが、あのように親しげに話したことはない。
高位貴族の美人と親しげに話すというだけでも嫉妬の対象にはなる。
こうして兄は、一方的にカンナギ医師を憎悪するようになってしまったのである。
幸か不幸かカンナギ医師の活躍は続いた。
彼は患者たちを身分と重症度で分類し、合理的に治療が行えるようにした。
これまでは、個々の患者に合わせて治療や看病、食事の世話などを行っていたのだが、カンナギ医師は身分や体力、病状などが同程度の患者を一つのテントにまとめてしまった。
そして同じテントの患者には、同じ食事と同じ薬、同じ待遇を与えた。
これによって食事から治療までが間違いなく迅速に合理的に行えるようになり、大量の患者を治療できるようになったのである。
更には、感染の原因は『蚊』であるとして、湿地を埋め立てるなど徹底的な蚊の駆除を行った。
土地を精査して新たな水源を確保して清潔な水を患者に配った。
衰弱した病人には、牛乳を手配して麦粥を作り、与えた。
チュルパマリク様の顎を治した手術の腕や、高級医薬品を大量に作る技術と魔力量など、それだけでもカンナギ医師の力量は十分なのだが、この管理者としての能力はなんだろう。
聞けば、フロンクハイト性病騒ぎでも彼は見事な統率を行ったそうで、既にシャイフ主席医療魔導士が片腕として認める程なのだという。
これで私と一歳しか違わないというのだから恐れ入る。
一方、我がベーグム師団の主席医療魔導士のウルスト医師は精彩を欠いた。
残念ながら彼には大規模な流行り病の治療を行った経験は無く、何をどうして良いのかサッパリ分からなかったらしい。
ウルスト医師がカンナギ医師の足を引っ張るようなことが無かったのが救いだ。
だが、それでも躓きはあった。
私が、父と兄に押し付けられて後始末に関わることになったのが『謝礼金』問題である。
最初に受けた報告では、カンナギ医師が諸侯から得た『追加の給金』を独り占めにして、自分の直属の部下にだけ分け与えているが、これは不当だから同じく治療に参加していたベーグム師団の医師たちにも分配するように言ってほしい、との事であった。
報告を受けた兄は激高し、まずはウルスト医師を呼び出して共にカンナギ医師を糾弾しようと話した。
ところが、この時点でおかしかった。
ベーグム師団の他の医師たちとウルスト医師のいう所がどうにもかみ合わないのである。
ウルスト医師は、そもそも、そのような問題は存在しないと言い切った。
一方、カンナギ医師を呼び出してみれば、貰った金の半額はウルスト医師に渡してあるから、ベーグム師団の医師たちにはウルスト医師が分配すべきだという。
再度、ウルスト医師を呼び出して確認したが、彼はそのような金は受け取っていないと否定した。
何が何だか分からない。
この問題は、兄が放り出して私が担当することになったのだが、収拾にはかなりの努力が必要であった。
結論として言えば、カンナギ医師もウルスト医師も嘘は言っていない。
そもそもの話としてカンナギ医師が受け取ったのは『個人的な謝礼金』であって、『正規の追加給金』ではなかった。
カンナギ医師に命を救われた貴族たちが、感謝のために、あるいは今後の繋がりのために『個人的』に謝礼を渡していたのである。
優秀な医師との関係は、特にそれが若く今後数十年活躍できそうな者であればなおさら、大事であるから、彼らがカンナギ医師と個人的に親しくしておこうと考えたのは無理もない。
この場合の金は、純粋に個人的な贈答品であるから、受け取った側はそのまま個人で使うのが普通である。
ところが、カンナギ医師は、受け取ったその場で半額をウルスト医師に渡し、残りの中から更に自分の配下に分配した。
これは普通ではない。
これは、彼が極端に若く、かつ正規の貴族の出身ではないことから行われたのだろう。
彼は周囲に配慮する必要が有ったのだ。
普通では有り得ない話であるから、これを見たベーグム師団所属の医師たちが『追加の給金』と勘違いして自分たちの取り分を要求する話になってしまったのである。
一方、謝礼金を受け取ったウルスト医師は、『普通』に全額、自分の財布に入れた。
これは常識的な対応だ。
ウルスト医師は『追加の給金』は受け取っていないのであるから、「下の者に分配するような金は受け取っていない」という彼の発言もまた真実なのである。
結果から言えば勘違いした我が師団の医師たちが悪いのであるが、感情的なしこりが残ってしまったのは如何ともし難い話であった。
特に兄は自分で呼び出して糾弾した内容が間違っていた事実を最後まで認めることは無かったのである。
この様に、細かな諍いは数多くあったのであるが、全体としてみればカンナギ医師の活躍で、何とか戦争が出来そうな状況になったのもまた事実であった。
そのような事で、父と師団幕僚たち、そしてチュルパマリク様はカンナギ医師を高く評価した。
一方で兄は、カンナギ医師に対して、そしてクロスハウゼン一族全体に対して極めて鬱屈した感情を醸成していたのである。
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