第3話益恵の妄想
益恵はベッドに寝転がり考えていた。
(一応キラリと付き合ってはいるが恋人らしいことをしていない気がする)
キラリのM体質に合わせてSとして振る舞っている益恵だが、疲れを感じるものもあり、常にある疑問が頭を掠めていた。
(恋人同士がわからない)
キラリと一緒にいて楽しくないわけではないが、もっと普通の付き合いをしたいと益恵は思っている。
(もし、このまま付き合いが続けば……一線を越えることもあるはずだ)
益恵は想像するも、自分がボンデージ姿でムチをキラリに叩きつけている場面が思い浮かぶばかりだった。
(うーん。やはり、私がいわゆる抱く側……ということになるのだろうか)
『益恵さん……来て……』
自分に抱かれるキラリを妄想し、益恵の顔は真っ赤に染まった。
(いかんいかん。これはいかんぞ。落ち着け益恵。しかし……)
『益恵さん、激しい……!』
(うわぁああああああ!)
益恵は自分の頬を渾身の力で殴った。
(こ、これは……やばい……)
殴った衝撃か妄想による興奮か益恵の鼻から血が流れ出した。
(あのキラリを私が抱く……!? そんな未来があっていいのか!?)
キラリの顔を思い浮かべると、また妄想が沸いてきた。
『益恵さん、もっとして……』
今度は壁に頭を叩きつけた。
(いけない……いけないよ。キラリ……!)
妄想の中で益恵はキラリを抱き続けた。
「はぁ……はぁ……これが恋の苦しさ……なの?」
益恵はその夜からキラリを脳内で抱く週間が着いた。
王子様系女子が実はMっ子だったので私がS役になる話 シイカ @shiita
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。王子様系女子が実はMっ子だったので私がS役になる話の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます