第023話 走る・病

 病み付きになるよと言われ、なんとなく始めた。

 冬の、まだ夜が明けきらない時刻に家を出、白い息を吐きながら走る。頬を刺す冷たい空気は、やがて肌に心地よいものとなる。

 地平線が朱色に染まり、太陽が顔を出した。新しい一日の始まりだ。

 白い息を吐きながら、私は今日も自然の目覚めを感じる。


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