第022話 ささやかな願い

 彼女になろうなんて思っていない。話せるだけでいい。

 あたしの願いはささやかなのに、今日も親衛隊に邪魔された。

 別れ際彼は、申し訳なさそうに振り返る。解ってるんだ、その待遇を喜んでいないことは。

 いつか二人きりで、のんびりと会話を楽しめますように。あたしは沈む夕日にそう祈った。

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