第12話 移動

目的地までの間に撮影の大まかな最終チェックを

皆で行なってゆく

さあ、アイドルとはどんな強者なのか

ワクワクが止まらんな


打ち合わせが終わりすぐに目的地に到着


相手方は先に到着していた模様だ

今日はアイドルという職業を体験してみることになっている


場所は我が邸宅から魔道船で1時間離れた草原だった

草原には立派な体育館ほどの建物が立っており

その周りもしっかりと15メートルの魔道船が10台止まれるように駐船スペースもコンクリートのようなもので整備されていた


わしらは係員の指示に従い、我が魔道船を止め

船から降りて撮影機材を社員と一緒にみなで下ろす


ブロードキャストは社員と一丸でここまで大きくなってきたので

わしも一緒に作業をする


荷下ろしが終わると建物の方から明るい髪の少女

が数人のスタッフを引き連れてこちらへとやってくる


「魔王様。お初にお目にかかり至極恐悦に存じます。

わたくしは名をアイリス。

今回魔王様に体験いただくアイドルという職業をしております」


と数人のスタッフとアイリスと名乗る

今回のゲストが膝をついて丁寧に挨拶をしてくれる


「そんなに畏まらんでも良い。魔王とはただの役割に過ぎん。

だからそんなに膝をつかれるほど偉いわけでもない。

頭を上げてくれ。

今回はこちらがお世話になるのだから。

こちらこそよろしく頼む」


とわしが頭を下げるとアイリスと名乗る少女は


「魔王様は噂に聞く通りの方でございますね。

では、言葉を少し普段に戻させていただますね。

ありがとうございます。魔王様」


とアイリスは突然わしの目に向けて抜き手を放ってくる

その速さはこれまで対峙したものの中でもトップクラスに早い

だが、一応わしも魔王になってから狙われることが

さらに多くなったので成長はしとる

わし以外のものはまだ攻撃に気づいておらん様子だったので

アイリスの抜き手を交わし元の姿勢に戻す

あたかも何事もなかったように会話を続ける


「では、撮影について打ち合わせをしようではないか」


アイリスはまだ状況が飲み込めていないのか真顔で固まっていた。

ただ、すぐに周りの視線に気づいて笑顔になる。


「はい。打ち合わせはあちらの建物にて行いましょう。」


とアイリスたちがレッスンに使っている建物の応接室で打ち合わせを行うことになった。


その後魔王が女装をしてライブに参加するのもいかがなものかとなり、わしが体験するのはアイドルのレッスンということになった。

後日、コンサートを密着することでアイドル体験の代わりとすることにした。

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