第16話あーちゃん初めての散髪

宗介さんと花さんがあきのお家に泊まりに来て今日で3日目の月曜日となりました。


初日は一緒に沢山お話をしてくれて、昨日は花さん達と一緒にお菓子を作ってくれました。花さんも宗介さんもすっごく作るのが上手で僕すっごくびっくりしちゃった。


そして、今日僕たちはショッピングと僕の髪を切りに行くらしい…。


人が沢山いる所は凄く苦手だけどあき達もそれが分かってて月曜日の普通の平日にしてくれたんだと思う。


みんな凄く優しい。


髪の毛はやっぱりボサボサだから切った方が良いよね…。


それと最近は上を向いて歩くのはまだ難しいけど、前髪で顔を隠さないで少し外を歩く事は出来るようになった。


花さんと宗介さんが泊まりに来てから秋も入れて4人でお散歩に連れて行ってくてた。


今までは外に出るのは嫌だったけどあのお散歩はすごく楽しかった。


「あーちゃーん準備出来ましたかー!」


「う、うん出来たよ、あき」


「うんうん、今日もかわいいね!」


「か、可愛く無いと思うけど、あきにそう言ってもらえると嬉しい…」


「あ、あきは、すっごくカッコいいね」


服に関して疎い僕は兎に角カッコいいとしか言えない。


「グハッ」


「あ、あき!またお胸が痛いの?!」


「い、いや、大丈夫だよ!」


「うん!大丈夫!」


「それは良かった…それより本当にいいの?僕お金持ってないのに…髪を切るのだって服を買うのだってお金がかかるでしょ?」


「良いんだよ!そのぐらい貢がせてよ!!僕あーちゃんが可愛いお洋服着てるの見たいー!」ギュッー


「こら秋人、綾くんが困っているじゃ無いか。」


「綾ちゃん準備はできたかしら?」


「は、はい。」


うわぁー、花さんも宗介さんもなんかオーラみたいなのが凄い。


花さんは長くて綺麗な髪の毛をアイロンでフワッとさせていてワンピースがすごく似合ってる。


宗介さんは白のシャツに紺色のジャケットを羽織って少し足首が出るくらいの紺色のジャケットと合わせたズボンを履いているけど身長も高いしスタイルもいいから凄くカッコいい!


やっぱり家族だなってすごく思う。


「さて、じゃあまずは綾ちゃんの髪を切りに行きましょうね!」


「は、はい…。」


「ふふふっ大丈夫よ、私や秋人の行きつけの美容師だから!そんなに緊張しなくても大丈夫よ!癖はちょっと強いけどね!」


…癖が、強い?



~~~~


「く、癖が強い…」


「あら~いらっしゃい花ちゃ~ん、今日も可愛いわねー!!」


「あら、嬉しいわー!でも、たかちゃんは今日も素敵よ!」


「あらやだっ!嬉しいわ~!!」


「「うふふふふふふっ」」


「あ、あき、こ、これは…」


「うん、良い人なんだよ、でも、癖が強いんだ」


「まあ、世間一般で言うところのオネェだよ。」


「う、うん、僕、初めて見たよ。」


背が高くて筋肉が凄いイケメンが僕の目の前にいた。


オネェ、僕、初めて見たよ。


「あら、あなたが花ちゃんが言っていた運命のお友達の綾ちゃんね~!あら、可愛い子じゃ無いの!私張り切ってきっちゃうわよ!」


「よ、よろしくお願いします…。」ビクビクッ


「あらビクビク震えて、うさぎさんみたいに可愛いわー食べちゃいたい!」


「た、食べる!?…ぼ、僕美味しく、無いです!」


「これは、今の時代にこんな可愛い子存在しないわ…この子は逸材だわ」


「??」


「さ、私が綾ちゃんを別人に大変身させてあげるわ!」


「さ、こちらに座って!」


「は、はい…よろしく、お願いします。」


「あら、礼儀正しいわね!私もっと好きになっちゃったわ!私に任せなさい!」


~~~


「はい、完成よー!」


「前髪はギリギリまで長くしといたからそんなに気にならないでしょ?」


「は、はい。凄いです…ありがとうございます。ニコッ」


鏡で見た僕は今までとは別人みたいに変わっていた。

前までは自分の顔が大っ嫌いで顔も覚えてはいなかったけれど今は普通の顔に見える。


「うっ、可愛いわこの子、好きになっちゃいそう」


「ダメですよたかさん!あーちゃんは渡しませんよ!」


「あら、熱烈ねー!でも、私はいいと思うわよ!」


「そ、そうすか…と、それより、あーちゃんとっても可愛くなったね!!」ギュッー


「うわっ…僕、似合ってるかな?」


「うんうん!とっても似合ってるよ!」


「なら良かった。」


ぽんっ


秋に似合ってるって言って貰えて良かった。


ちょっと照れちゃうけど。


「あーちゃん、照れてるの!可愛いね~♡」


「綾ちゃんとっても似合っているわ!!」


「顔が童顔だからマッシュへアがとっても似合うわ~!軽く巻いたんだけどすっごく似合っているわ!」


「あの、たかさん、あ、ありがとうございました。」


「あらあら、いいのよ!それよりもたかちゃんって読んでくれると嬉しいわ!」  


「…た、たかちゃん」テレッ


「か、可愛いわ…」


「それじゃあまた来るわね!たかちゃん!!」


「えぇ、待っているわ!」


カランッ


「お待たせ!」


「お帰りみんな。お、綾くん可愛くなったね!」ナデナデッ


「カッコ良くはなれないのか…。」


「そうだねあーちゃんは可愛いだね!」


「僕、カッコよくなれるように頑張るよ!」


「キュンッ…うん、頑張ってね!」


「…うん」


「じゃあお買い物に行くわよー!」



そうして僕たちは美容室を後にした。






























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