第8話 変化

朝。完全に視界は白黒に戻っていた。

これまで感じたわずかな色でさえ感じれなくなった。


ただ何も感じず学校に向かう。

すると...

「めーいちゃん!」「ゴフッ!」

なんと後ろから彩葉が突っ込んできた。

予想外すぎる奇襲に思いっきり倒れてしまった。

「何すんの彩葉!」

「えへへ、ごめん!」

どうして昨日の話を聞いて尚、どうしてこんな行動に出るのかが分からない。

「ねえ、今日のお昼、昨日のところに来てよ。話したいことがあるから」

何か私にしようとしてるのか?でも人に嫌がらせをする人の目じゃ無い。 

一体何を考えてるんだ。


そしてお昼の時間になった。

彼女のせいで授業に集中出来なかった。

もちろんクラスの人は何も知らないのかこれまでと全く変わらない様子で私に接してくれた。

だからこそ分からない、一体彼女は私に何をしたいのか。


そんなことを考えていると気付けば昨日、彩葉が告白をされた場所まで来ていた。

もう彩葉はその場にいて私を待っているようだった。


「あっ!めいちゃん来た!こっちこっち!」

「う、うん」

いつもより緊張した様子の彩葉に違和感を感じながらも着いていく。

さっきの場所より人目につかない場所まで移動した。

「ふぅ、ここなら大丈夫かな」

一体何をする気なのか、覚悟を決めると、

「あっあの紺野芽衣さん!私と付き合ってください!」

「へっ…?」

何が起きているんだ?

「実は入学式の日からずっと気になっていました!でも女の子同士、変に思われるのが嫌でずっと隠してました。でも!昨日、あなたが私に告白してくれたので!私の気持ちを今日お伝えさせていただきました!」

処理が追いつかなさすぎる…。 

「つまり、あなたは入学式にぶつかった時から私に恋してて、それをずっと隠して私に接してたの?」

「はっはい!」

何だろうこんなに緊張している彩葉を見るのは少し新鮮で面白い、それに、

「ふふっあははは!何で私あんなに思い詰めてたんだろう」

「えっえーと」

少し不安そうな彩葉に私の気持ちをぶつける。

「私なんかでよければ是非お願いします」

「えっ、えっ、ほんとう?」

「あなたの言葉が全部本当なら本当ね」

「やっっったー!!」


どうしてこんなことになったのか私には分からない、でもこれからが楽しみだ。


「あっ!じゃあ剣道部に一緒に入ろ!」

「ごめん!私他にやりたいことができたの」

「そうかぁ、やりたいことって何?」

「彩葉のことを描きたい。実は前から描きたいと思ってたんだ」

前は色が見えにくいからと避けてきたけど彩葉が一緒ならきっと前よりいいものが描ける。

だから今の自分の本当にやりたいことを私はやる。


「そっか、ならとびっきりのモデルにならなきゃ!」

「ふふ、よろしくね。これから色々と」

「うん!任せて!」「うぇっ」

彩葉に飛びつかれるのがうれしく感じる日が来るとは…。









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