第2話 出会い

4月某日 高校の入学式


今日は私の高校の入学式。花びらが舞っているいい日だ。

周りには私と同じ制服を着ている人たちが正門の前に張り出されているクラス表を見ている。

クラス表の前はかなりの人混みで、前に進むのすら難しそうだ。


そんな人混みに怯えてしまい、中々自分のクラスの確認に行けず、人が捌けるのを後ろから待っていると、

「へぶっ!」「キャ!」

なんと後ろから人がぶつかってきた。相手の勢いが強く私は倒れてしまった。

「ごっごめんなさい!!」

「いえ、大丈夫です。」

謝りながら差し伸べてきた手を借り起き上がりぶつかってきた相手を見たその時、

「どっどうかしましたか?まさか頭を打ったとか!?」

私の世界は色づき始めた。


その後、慌てる彼女を宥めながら彼女に色々聞いた。彼女の名前は七色 彩葉なないろ いろはということ。周りに人が少なく、遅刻したと思い慌てていたこと。

そんなことを聞いていると彼女は途中で親に呼ばれ「お母さんに呼ばれた!また後でね!」と元気よく去ってしまった。

そこで気づいた自分がことに。


確かに私は彼女を見た時に色を見た。そして自分の感情が戻った。

2年前のあの日失ったもの。

それを彼女は私に一瞬とはいえ戻してくれたのだ。

どうしてこんなことが。

いろんな疑問を抱きながら、自分の教室に入った。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る