第24話 リョウ君ママと結婚

「パパ、リョウ君ママと結婚するって本当?」

「何や、そりゃ、ユウにはママがおるやないか」

「だって、みんな言ってるよ」

「みんなって誰や?」

「んと、シオンちゃんとかカズ君」

「噂話もたいがいにせえって言うてやれ、まったく母親が言うているんやろな」

 

 その日の晩は、勇気が珍しく家に帰って来た。

 遼平がリョウ君ママの晩ご飯を食べ終えると、一緒に帰ると言い出した。


「僕がお家に帰らなかったから、ママがお家を出て行ったのかと思って、僕、僕、ママ大好きだよ」

 

 勇気がヒックヒックとしゃくり上げながら泣いている。


「それでお家に帰ってきたのか」

 

 遼平は大きなため息をつき、勇気の頬の涙を拭ってやった。


「前にも言うたけど、ママ、ノンちゃんって知っとるやろ。ママの仲良しのノンちゃんの身体の具合が悪うて看病に行っとるんや。もうすぐ帰って来る」

「ママ、帰って、ヒック、来るの?」

「ああ、帰って来る。さあ、風呂に入って早く寝ないと、もうこんな時間や」

 

 勇気はパジャマや下着を用意すると風呂に向かった。

 子どもを人の家に預けるのも悪ないな。自発的に行動するようになった。

 やけど、噂話も考えてして欲しいもんや。子どもが一番傷ついとる。




 

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