第23話 噂話
遼平はリョウ君ママのリビングの白いソファーで一夜を明かし、朝早くに車で自宅に戻った。
ミカの母親に見つからないよう、足音を立てないように家に入ったのだが、その必要もなかったようで、ダイニングテーブルの上に置き手紙があった。
何もすることがないし帰ります。とあった。勇気をあまり甘やかすなということも書き添えてあった。
遼平はシャワーを浴び、出勤の用意をした。
勇気のことはミカが帰るまでリョウ君ママにお世話になることにした。
朝晩の遼平の食事の面倒も見てくれるというので甘えることにした。
あの味噌汁が食べられるんなら遠慮なんかしておれん。
「ご馳走様でした。会社に行く道すがら二人を幼稚園に送って行きます」
「あら、申し訳ないわ」
「申し訳ないのはこっちの方です」
黄色いカバンを斜めにかけ、靴を履いた二人が玄関口で待機していた。
「パパ、遅れちゃうよ」
「ああ、そうだな、行って来ます」
「行ってらっしゃい」
幼稚園の内も外もママさん同士のおしゃべりが活気づいていた。
朝から元気やな。
「ほら、カズ君ママ、私の言った通りでしょ」
「そうね、確かにユウ君ママ、最近見かけないし」
「だから、そういうことなのよ」
「旦那の不倫相手に妻の座を奪われちゃったのよ」
ひそひそ話は止まらない。
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