第20話 乾杯

「何に乾杯しましようか?」

「そっくりな子どもたちに、ではどうですか?」

「いいですね。では、そっくりな子どもたちに乾杯」

「乾杯」

 

 グラスを合わせると、涼やかな音色を奏でた。

 うーん、うまい。

 遼平はリョウ君ママのグラスに注ぐと、自分のグラスにも注いだ。

 あっ、こんなに飲んどったら料理の分がのうなってしまう。


「何かおつまみにチーズでも切りましょうか?」

「チーズならサラダの残りが」

 

 そう言うと遼平は、まな板の上からチーズの切れ端をつまみ上げ、リョウ君ママの口に入れた。


「あら、まあ、それじゃ私も」

 

 同じように、まな板の上からチーズの切れ端をつまみ上げると遼平の口に入れた。


「何かお皿がいりませんね」


 大笑いする二人だった。


「おっと鍋が噴いてる。パスタを入れてと」


 タイマーのスイッチを入れる。

 その間にフライパンにオリーブオイルを熱し、みじん切りにしてあるニンニクを炒め、アサリ、白ワインを入れ蓋をする。

 パスタが茹で上がったら、フライパンのあさりが口を開いているか確かめ、パスタを投入。パスタのゆで汁を少し入れ、鷹の爪の細切りを散らし、


「さあ、出来た」

 

 皿に盛り付け、さあ実食。

 ダイニングテーブルに運び、残りのワインを注いだ。


「美味しい」


 リョウ君ママの言葉に一安心した遼平は、グラスのワインを一気に飲み干した。


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る