第8話 リョウ君ママのマンション

 次に目が醒めたときは、見知らぬ地下駐車場だった。


「二人とも寝てしまったので、取りあえずうちの家に来ました」

「ああ、どうも」


 ビールくらいでそんなに酔いが回ることはないのだが、まだ頭がボンヤリとしていた。

 ここはリョウ君ママのマンションの駐車場のようだ。

 後部座席から勇気を抱き起こすが、起きる気配はなかった。

 リョウ君ママはリョウ君を抱くとエレベーターに向かった。


「ユウ君が目を醒ましたら家までお送りしますから、ちょっと休んでいらしてください」


 リョウ君ママは8階のボタンを押した。

 リョウ君を片手に抱きながら、家の鍵も解錠し、とても慣れた仕草だった。

 

 明かりのともされたリビングに白いソファーが浮かび上がり清潔な印象がした。

 奥にリョウ君の子ども部屋があるようで、


「こちらへ」

 

 とブルーを基調とした部屋に誘われた。

 ベッドに並んで寝かせた。


「遊び疲れて当分起きないでしょ」

 

 朝まで起きないかもしれへん。


「コーヒー煎れます、それとも、もう一寝入りしますか?」

 

 返事を待つまでもなかった。遼平はソファーに座り込むと、また崩れ落ちてしまった。


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