第6話 ビールも

「うわ、ほんまや、豪華やなあ。作るの大変やったでしょ、それに重たかった」

「いいえ、何のこれしき、リョウがお世話になっているんですから」

「いや、それはこちらの台詞で」

「パパ、たこさんウインナー」

 

 綺麗に足が切られ、たこの形をしたウインナーをユウは差し出した。


「ほんまや、ユウよかったな」

「あっ、そうだ、少しだけビールも持って来たんです」

 

 荷物の中から小さなクーラーバッグを取り出した。

 遼平の好きなスーパードライが現れた。


「帰りは私がハンドル握りますから、安心して飲んでください」

「いや、それやとあまりにもズーズーし過ぎて」

「かまいません、そのほうが料理の味も誤魔化せますし」

 

 リョウ君ママはクスクス笑い出した。


「じゃあ、遠慮なく戴きます」

 

 本当のところ渇望していたので、一気に飲み干してしまった。


「あら、フフフッ、お料理も食べてくださいね」


 紙皿に料理を取り分けながら、2本目のビールを出してくれた。

 小芋の煮物、筍の天ぷら、レンコンのきんぴら、ほうれん草の胡麻和え、ブタの角煮、牛のすき焼き風、どれも遼平の好物だった。

 

 ミカも遼平の誕生日には腕を振るってくれるが、ここまでの品数は並べへん。

 あかん、酔いが回ってきたのやろか。ミカと比べるやなんて。

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