第2話 一緒に
「ねえ、パパ、今度のお休みの日の遊園地、リョウ君も行ってもいいでしょ」
勇気が手を繋ごうと手を差し出してきたものやから、慌てて訊いた。
「ユウ、手をよく洗ってきたんか?」
「うん、洗ったよ、パパも見てたでしょ。僕が手を洗うところ」
「ああ、そうやったな」
うり二つの子の存在に気をとられ本当のところ見てなかった。
「ねえ、それよりリョウ君も一緒に行ってもいいでしょ」
「うん、リョウ君のパパとママに訊いてみんとな」
「リョウ君にパパはいないんだよ」
「えっ、そうなんか」
最近、一人親世帯が増えているって、ミカが言うてたな。
信号が青に代わり再び歩き始めた。
「ねえ、いいでしょ」
「勇気、この信号は早く渡らないと代わってまう」
「だから、いいでしょ」
「うん、わかった、わかった、だから急いでくれ」
「やったー」
跳びはねる勇気の腕を強引に引っ張り急いだ。
「でも、リョウ君のママがいいって言うてからやぞ」
「リョウ君ママ、いいて言ったの」
何や、話はもうついているんやないか。
勇気は年長さんになって言葉数も増えおしゃべりになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます