第4話

広っ!

いや、広すぎでしょ。

ここは、神楽家の豪邸です。

「ゆうりちゃん。いらっしゃい。」

廉さんがエスコート?っていうのかな。

それをしてくれる。

「お、おじゃしま~す。」


時を遡ること数分前。

何故か、イケメン4兄弟のメイドをすることになってしまい…。

家を見ておいた方がいいと言われ、ここに来たのだがいくらなんでも広すぎでしょ。

ん?

今、視界の端で緑の何かが動いたような…。

「ゆうりさん。頭の上にヘビがいるので、気をつけてくだ…。」

へ、ヘビイィイィ~~!

ギャャャヤャャ~~~~~!

ヘビが頭の上にいる。

しかも、うぇっ。

おでこを舐めた。

最悪…。

陸さん。もっと早く言ってほしかった。

「あ~、ごめん。ゆうゆう。それ、僕のヘビだ。」

な、なんと。紫苑さんのでしたか。

「一樹もさ、未だにみーくんのこと避けるんだよ。きっと、ビビってるんだよね。こんなに、可愛いのに。ねぇ~、みーくん!」

あ、あの。

みーくんってヘビの名前でしょうか。

「うるせぇ。俺はビビってんじゃねぇよ。衛生的に理解できないだけだ。ほら、ゆうり早く消毒しろ。」

一樹さんは私に消毒液が入ったボトルを手渡す。

「ありがとうござい…。」

「ゆうりちゃん。俺が消毒してあげる。」

え…?

「消毒…って、どういうふうに?」

「こういう風に。」

廉さんが私の手首をチロッと舐める。

ギャャャヤャャギャャャヤャャ~~~~~~!

気持ち悪い…。

「一樹さん。消毒をください。」

私は、後退りながら一樹さんに声をかける。

すると、ドスン何かにぶつかって、次の瞬間には肩からお腹にかけて人の手が。

え…。

おそるおそる、振り返ると。

り、陸さん!

「あ、すみません。ついつい、抱きやすそうな体があったので。」

おい!ついついじゃないだろが!

さっと、離れる。

「ゆうゆう。可愛い~。」

あぁ~もう!

紫苑さんも勝手に私をなでなでしないでください!

い、一樹さん…。

「助けて。」て目で訴えるものも、「やってられない。」と言って何処かに言ってしまった。

誰か~、助けて!


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