ゆらゆら

 果那ちゃんの恋愛相談にのった少し後から、私たちは会う回数が少し減った気がする。それは私の考え過ぎかもしれないし、本当にそうなのかもしれない。


「上手くいかなきゃいいのに。」

 果那ちゃんのことは、本当に大好きだけど大好きだけど......大好きだからこそ上手くいかないでほしいと思ってしまう。


「めんどくさい.........。」

 こうやって気持ちがすぐにゆらゆらしてしまうのも、本当に嫌だ。私の好きな人が、果那ちゃんじゃなきゃよかった。ここ最近は何度も思う。女の子を好きになってもいいことなんてない。私が辛くなるだけだった。


「感覚ズレてるな...私。」

 思えば昔からそうだった。周りからはよく、『あんたちょっと変だよ。』と言われることが多かった。私は、変だと言われる理由が全く分からなくて周りの大人はずっと困り顔をしていた気がする。昔は分からなかったけれど、今ならわかる気がする。


「できるなら嫌いになりたい、かな.....。」

 なんて、思ってもないことを口に出したり、最近の私は本当に壊れてしまったのかもしれない。


「なんか、息すんのもしんどいな.......。」

 この前話した時、果那ちゃんも似たようなことを言っていた気がする。その人のことだけで頭がいっぱいになる。そんな感覚なのだろうか。私はただただ、一人の部屋でこの感覚を抑え込むことをするだけでいっぱいいっぱいだった。




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