好きのおおきさ
七瀬モカᕱ⑅ᕱ
小さな嘘
「あぁ〜!!絶対無理だよぉ〜〜!」
私の隣で今大きな叫び声をあげてるのが、私の親友で私の好きな人.....でもある女の子。
「何が無理なのよ。行けると思うよ?果那ちゃんなら。」
「だから!何を根拠に!」
こんな感じで、果那ちゃんは恋愛の真っ最中。そして、私は果那ちゃんの恋愛相談にのっているだけ。
「本当に無理なんだって......っ、その子のこと
考えてるとさぁ......。」
そんなことを言いつつ果那ちゃんはすごく楽しそうで、少しだけ果那ちゃんに想われている相手が羨ましい。
「なに弱気になってんのよ........。砕けたら私の胸貸してあげるから!!」
「砕ける前提やめてくれる?!ってか告白するってまだきめてもないのに!!」
普通に話すだけでも十分楽しいはずなのに、私の心は少し物足りなさを感じていた。その理由なんて考えなくてもすぐに分かってしまう。
「私のことはいいの!それよりさ、そっちは好きな人とかいないの?」
「また話逸らした......。今は果那ちゃんの話を聞いてるんでしょ。」
「えぇ.....い〜じゃあんいずみちゃんの話も聞きたいんだもーん.....。」
今日も私は、果那ちゃんのいい友達をできているだろうか。なんて少しヒヤヒヤしながら、毎日を過ごしている。
『私は聞いてるだけで楽しいよ。』なんて自分が一番苦しくなる言葉を使いながら。
本当に小さなことかもしれないけれど、毎日少しずつ自分にも果那ちゃんにも嘘をつきながら。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます