好きのおおきさ

七瀬モカᕱ⑅ᕱ

小さな嘘

「あぁ〜!!絶対無理だよぉ〜〜!」

 私の隣で今大きな叫び声をあげてるのが、私の親友で私の好きな人.....でもある女の子。


「何が無理なのよ。行けると思うよ?果那ちゃんなら。」


「だから!何を根拠に!」

 こんな感じで、果那ちゃんは恋愛の真っ最中。そして、私は果那ちゃんの恋愛相談にのっているだけ。


「本当に無理なんだって......っ、その子のこと

 考えてるとさぁ......。」

 そんなことを言いつつ果那ちゃんはすごく楽しそうで、少しだけ果那ちゃんに想われている相手が羨ましい。


「なに弱気になってんのよ........。砕けたら私の胸貸してあげるから!!」


「砕ける前提やめてくれる?!ってか告白するってまだきめてもないのに!!」

 普通に話すだけでも十分楽しいはずなのに、私の心は少し物足りなさを感じていた。その理由なんて考えなくてもすぐに分かってしまう。


「私のことはいいの!それよりさ、そっちは好きな人とかいないの?」


「また話逸らした......。今は果那ちゃんの話を聞いてるんでしょ。」


「えぇ.....い〜じゃあんいずみちゃんの話も聞きたいんだもーん.....。」

 今日も私は、果那ちゃんのいい友達をできているだろうか。なんて少しヒヤヒヤしながら、毎日を過ごしている。


『私は聞いてるだけで楽しいよ。』なんて自分が一番苦しくなる言葉を使いながら。

 本当に小さなことかもしれないけれど、毎日少しずつ自分にも果那ちゃんにも嘘をつきながら。


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