第3話:海の中
臨海学校は楽しかった。
だって、桜木
「桜木さんってなんか取っ付きにくかったけど、反応
「そうかな? 私これが普通なんだけど」
朝の食事をしながらそう言うと相変わらずぼぉ~っとしながら彼女はそう答える。
その
この高身長と
「ねぇねぇ、桜木さん、
元気が取り
先に朝食が終わってもう片付け始めていた。
私は苦笑して桜木
「
「
桜木
なにか期待した感じの目で。
私はもう一度苦笑して言う。
「じゃあ、私も藤井で無くて
そう言うと桜木
「うん、じゃ行こう
「はいはい、行こうか
内心ドキドキしている。
名前で呼び合えるなんて
そして私の心の中に
そんな気持ちを押し
* * * * *
「よーし、ちゃんと準備運動したか? 今日はちょっと気温が低いからしっかりと準備運動するんだぞ。それと、向こうに浮いている浮きより沖には行っちゃだめだからな~」
引率の先生はそう言いながら準備運動を終わりにしてみんなに海に入って良いと許可をだす。
「海だぁ~っ!」
「
「うみだぁ!」
「
三人ではしゃぎながらパタパタと浜辺から海に足を入れる。
「冷たっ!」
今日は気温が低いと言ってたけど、足元に寄せては引いている海水は予想以上に冷たかった。
しかしそんな冷たさも一度入ってしまえばもうこちらのモノ、すぐに冷たさに慣れてみんな海で泳ぎ出す。
「うほぉっ! 冷たいけど入っちゃえばもう平気だね?」
「うっひゃー、あ、もう慣れた」
「ひんっ、ゆっくり、ゆっくり……」
私と
そして胸の近くまで入るとぶるぶると
「つ、冷たい……」
「
そう言って海水を飛ばしてかけると私よりずっと大きな胸にそれがかかる。
「ひゃうっ!」
軽い
なんか妙に色っぽい。
「冷たいよ、
「
そう言って
すると
むにゅっ!
身長差もあり
しかし痛くない。
むしろ柔らかさにドキリとさせられながら何とも言えない敗北感を味わう。
「
肩まで水につかった
その笑顔に私はさっきまでの敗北感も消えて思わず笑みが出る。
「よぉ~し、あっちまで泳ごう! 待て
こうして私たちはキャッキャ
* * *
「ねえ、ここ立てるどころか腰くらいしか深さないよ?」
「本当だ。これが先生の言っていた
「本当だ。こんなに浅い」
足が長いから
「ねえ
「
「大丈夫だよ、こんなに浅いんだし。ちょっとだけ行ってみない?」
そう言いながら
しかし立ったままでもまだまだ
「なんだ、まだまだ
それを見て私も浮きを
「あ、
ちらっと見たら
高身長の
なので私は更に
「わっぴっ! あれ? なんか水の流れが……」
「うわ、急に冷たい海水が流れて来た!」
押し寄せる波に
それになんかだんだんと水かさが増してきていない?
「
と、
「痛ぁっ! 足つったぁ~っ!!」
「ちゃんと準備運動しないからだよ。ほら、つかまって……」
私は足がつった
ざぶ~んっ!
「うわっッぷっ!?」
ひときわ大きな波が押し寄せる。
それは腰くらいしか無かった海面を一気に押し上げ、首くらいにまで水位が上がる。
と、流れ込んできた冷たい海水に私も足がつる。
「うっ!?」
「
急な痛みに自分の足を押さえようとしたらさらに波が押し寄せる。
片足で海底に足をついていたせいもあり、私は流されるかのようによろめくと、その場所は急に深くなっていた。
「わっっぷ!」
ばしゃばしゃっ!!
「
「ちょ、
足がつかない
しかも足がつって身動きが取れない!?
もがく私だけどどんどんと海に引き込まれてゆく。
「ばわぁっ! ごぼっ!」
「
私が最後に聞いたのは
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます