第10話 ある一コマ
【タイトル】
第10話 ある一コマ
【公開状態】
公開済
【作成日時】
2018-09-28 19:52:57(+09:00)
【公開日時】
2018-09-28 19:53:57(+09:00)
【更新日時】
2018-09-28 19:53:57(+09:00)
【文字数】
618文字
【本文(12行)】
「簡単に言えばね⋯⋯僕は大学に行ってはいけなかったんだ」
「そんなことはありません! 次そんなこと言ったらひっぺがしますからね」
「運命は、──人が造り出した運命は僕を都会から追い払うことを狙っていたのではないのかな」
「だったら運命にはどいてもらいましょう。運命よそこをどけ、俺が通る──マイケル・ジョーダンが言うセリフがあるじゃないですか」
「運命は強いよ。人間は多いよ。やろうと思えばどれだけでも囲えるよ。たった一人のために」
「そんな強い運命でも、あなたを潰すことは出来なかった。筋肉弛緩の地獄を味合わせ、人類から見放される地獄を見せられて、閉鎖病棟の天国に入れられ続け、普通の人間のメンタルなら──折れます。負けます。大学を退学することを選ぶでしょう。だけどあなたは、負けない」
「負けない?」
「負けない。絶対に負けない。勝つ方法を探り続ける。例え孤独でも、例え何の意味もなくとも、例え弱くても、テストで全然点が取れなくても、それでもそれでも、それを見越して、課題を出してもらう。君は負けない」
「僕は負けない」
「あなたの名前を呼ぶ人は、運命造る人々の中にはいないでしょう。だからあなたを正々堂々と名前を呼ぶ、そんな人と付き合って、そんな人間になりなさい。あなたは運命を超えることができる。世界はあなたに恐れているから、運命で追い払おうとしていたのだから──」
「世界は僕に恐れている」
「あなたの命を、自由の限り尽くさんことを願うばかり──」
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