第6話 私が統合失調症で体験したことを始めから丁寧に②

【タイトル】

第6話 私が統合失調症で体験したことを始めから丁寧に②


【公開状態】

公開済


【作成日時】

2018-09-24 10:14:28(+09:00)


【公開日時】

2018-09-24 10:14:28(+09:00)


【更新日時】

2018-09-24 10:15:30(+09:00)


【文字数】

817文字


【本文(54行)】

「七年を短くしたいんだ。七年を短くするにはどうしたらいいと思う?」


 私が独房の中、検事さんから受けた質問です。


 2018/05/17(木)

 私は保護観察という名目で一日だけ東山拘置所で過ごしました。

 その次の日検事さんが三人きました。


 ひとりは今回の騒動で辞職を提出したとおっしゃっていました。

 その方が言った質問が冒頭の一文です。


 ☆☆☆


「七年を短くしたいんだ。七年を短くするにはどうしたらいいと思う?」


 僕は「趣味に時間を当てれば七年はあっという間だ」と答えました。

 その検事さんは全く聞いていませんでした。


 去り際に。

「大事なことは伝えたからな」

 と言って。去りました。


 そのあと二か月間閉鎖病棟での地獄が待っていました。


 現在の僕の解釈を書いておきます。


 まず七年。


 七年を亡年と書き換える。すると


「亡年を短くしたいんだ。亡年を短くするにはどうしたらいいと思う?」


 つまり亡年(死ぬまでの時間)を短くするにはどうしたらいいと思う?

 今回のように無理やり連れてくるしかないよね。

 正義に反し、法などないけれど。


 そのように解釈しています。


 閉鎖病棟は天国でした。

 現実世界の情報だけはテレビから入ってくる。しかし窓の内から一歩も外に出ることができない。

 天国もそのような場所なのではないのでしょうか。

 現実に対して何の作用も及ぼすことのできない。


 毎日三食だけが流れてくる。そんな淡々とした、無に近い場所。


 だとしたら、僕を統合失調症にした最大の目的は、疑似的に殺すことだったのではないかと推測します。


 理由の一つとして閉鎖病棟から戻ってきた際に部屋から『完全自殺マニュアル』という本が失われていました。


 自殺がしたくて買った本ではなく、小説を書くための材料として買っていた本だったのですが、部屋から忽然と姿を消しました。


 つまり、僕に対し『自殺は絶対にするな』というメッセージが今回の統合失調症の役割の一つだったのかなと思います。


 もともと自殺するつもりなんて毛頭ありませんでしたが。

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