第2話 私に友達がいないのは、私の弱さゆえだった

【タイトル】

第2話 私に友達がいないのは、私の弱さゆえだった


【公開状態】

公開済


【作成日時】

2018-09-12 14:29:03(+09:00)


【公開日時】

2018-09-12 14:29:03(+09:00)


【更新日時】

2018-09-13 22:39:27(+09:00)


【文字数】

533文字


【本文(26行)】

 私には友達がいない。

 今日もまた、ひとりぼっちで食堂に座る。


 食堂で座ってコロッケを食べると、衣がのどに刺さってむせた。

 僕は鼻で呼吸することができない。

 僕は鼻が高い。それゆえ鼻腔が長く空気が脳に到達しない。いつも口をパクパク開けている。


 むせて、隣に座っていた男女の女のほうが男の耳に、耳打ちをした。

 ああ、そうだ。思い出した。

 僕は弱いのだった。

 僕はかっこ悪く、人に迷惑を掛けまくる人生だった。だから人を避けてきたのだと。

 テーブルにまき散らした衣をティッシュでふき取りながら、思い出していた。


 私は弱い。

 そのうえ私は悪い。実は私は非常に悪い。いつも手にするならば最高峰のものを手にしようと努力する。妥協は良心だ。どんな手を使ってでも自分の納得するラインを超えるものを手にするまで決して妥協しない。

 悪人。

 統合失調症にのもその悪さゆえではないか。

 そう感じる時がよくある。

 罪を上手にかわす悪人に、人工的に作られる病気の一撃を食らわせる。

 そんな天罰が下ったのではないかと思ってしまうのだ。


 悪人ゆえに友達もいない。

 弱者ゆえに友達もいない。

 人と付き合うときは、医者や看護師などお金の介在する間柄でしか人と付き合うことができない。


 それが井上和音という人間の一つの到達点なのである。

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