ここは、青白い星が覆われた後となった一角。

それは、結果的には一つの惑星となった。

質量は月と同程度。

形は完全な球体で、側面にはなにもない。

いわばこれから発達するのだ。

重力は地球と同程度。

しかし同じようなものがたくさんある中で異だったのは、内側があること。

その昔中で大爆発が起き、外側の土が固すぎたがために内側のみが抉れてしまい、結果的に生物が住めるような環境へと変化した。

そのための犠牲を自ら払ったのが、汚穢。

彼女はもう死んでいるはず。

が、気配だけは、十分に感じられる。

名残なのか、それとも…




そんな内側、いや惑星の真ん中、中心にいるのが、青白い星、改めソラだった。

自身が閉じ込められるという危機的状況だと言うのに、目を閉じ、口元に微笑を浮かべながらぐっすりと眠っている。

あるいはもはや彼女にとっては何らことないのかもしれない。

数ある兇怖のなかでも一番の孤独を味わった彼女にとっては、傷ひとつ負わせれないのかもしれない。


いつか、また誰かに会えるまで。

私は、ここに止まっていよう。

起こしてきた最初の人よ

新しい友達として、一緒に触れ合おう。


この星から全てが始まることは、誰の目にも明らかだ。

一角に佇む一本の棒、生命の予感、そして、それら全てが生むであろう降隣という名の奇跡。


ここからまた、物語が始まるのだ。

今はただ、待つだけでいい。



兇と福




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