25




「ッ……!」


「アッ…いッ…ああ…!」


國将の人並み以上に立派な雄が、襞を掻き分け挿入される。


いくら解したと言っても、元来はこんな異物を入れて良い場所ではないから…。

痛みというか、圧迫感のような苦しさに襲われた善は、身体を強張らせてしまう。






「善…力、抜け…」


「あ、そん…なっ…」


それは國将とて同様であり。女性器を遥かに凌ぐ圧力に対し、彼は堪らず顔を歪めて…。

冬だと言うのに、その額から汗を滲ませていた。





「善…」


「アッ…んんッ…」


なかなか侵入を許さぬ善の中に、國将は注意を逸らそうと善の唇を塞ぐ。


その行為は激しく善を翻弄して…

結果、少年の身体は脱力したよう柔軟さを取り戻した。間髪容れず、國将は挿入を再開する。






「んうっ…ふ…はぁ…」


クチュクチュと口内を犯しながら、善の中へと少しずつ埋め込まれていく國将の性器。





「はッ…」


普段は余裕のある國将も。

あまりの快感に、表情は切なげに歪められて。

その身から、溢れんばかりの色気を醸し出していた。


その誘惑に、善は心奪われる。







「…入った…ぞ…」


「あ…う、そ…」


繋がる前に見た國将のソレは、こんな所に入れられるような代物ではなかったから…。

全て入ったと言われ、善は信じられないと驚愕を露にする。





「分かるか…ココ…」


繋がってるだろと、國将のソレを態とらしく押し当てられたら陰毛の感触で尻が擽られて…。思わず善は、両手で顔を覆った。






「平気か…?」


問われて顔を隠したまま、善はうんと答えて。






「國将、さんはっ…」


今度は善が質問したら…



「ヨ過ぎて、今にもイきそうだよ…」


と、腕を取られ…そのままベッドに縫い止められてしまった。

頭上に、國将がのし掛かってくる。






「動いていいか…?」


聞かなくても良いのに…國将はあくまで善に優しくて。それでいて、余裕のない熱い吐息を漏らす。





「遠慮しなくて、いいから…」


そんな國将の色香にやられてしまった善も…普段ならば到底あり得ない程に。

酷く淫らな表情を見せつけ、青年の心を翻弄していった。






「ああッ…!!」


そして始まった行為に、善は甘い悲鳴を漏らす。





「く…そッ…」


優しくしようなんて考えは、開始当初で儚く散り行き…。國将は、飢えた獣の如く吠え出す。






「あッ…アアッ…!」


相手が年下で、恋も知らぬような少年にも関わらず。國将はガツガツと挿入を激しくさせる。


今まで培ってきたテクニックだとか…そういった事を計算する余裕など、何処にもなくて。

ただ本能の駆り立てるままに、目の前の獲物を貪る雄と為り果てた。






「善…ぜ、んッ…」


「ああっ…くにまさ、さっ…!」


パツンと善の尻を何度も打ち、國将の凶器がソコへと突き立てられる。

出鱈目に見える行為は、確かに善のイイトコロ────前立腺を掠めていて。





「ああッ…や、だぁっ…!」


悲鳴だったものが、確実に艶やかな喘ぎ声へと変わっていった。

目敏くそれに気付いた國将が、狙ってその場所へと肉を突き立てる。






「はッ…善…気持ち良いか…?」


「アッ…あッ…んぁ…」


ピストンを緩める事なく、耳元で囁くと…。

善は泣きながら國将を見上げてきて。






「いっ、よ…だっ…て…」



“國将さんとセックスしてるから────…”



口にするのも恥らっていた卑猥な言葉で以て、國将を魅了してくる。


瞬間、中に埋められたモノが何かをせがみ訴えるかのように…一際大きな脈を解き放っては、その欲の厚みを増していった。






「ばっ…か、煽んなっての…!」


「ひゃああッ…!!」


善の不意討ちに、理性を搾り取られた國将は…更に加速し、自身の律動を強める。

その度、襞に擦れる内側から厭らしい水音が室内に響いて…。恥ずかしげなそれすらも、互いの性欲を存分に掻き立てるのだった。


その時…






「あ、や…なんか…クるッ…」


高まる絶頂に、善は恐怖感を覚えて。

シーツを掴み泣き叫び始める。





「國将さッ…やっ…」


まるで子供みたく乱れ出したものだから…國将は上体を下げ、善の胸元へと密着した。

少年は助けを求めるよう、すぐに抱き付いてくる。





「イきそうか…?」


「んあッ…わかっ、ないよッ…」


性的行為なんて、手で自身を慰めるソレを数える程度でしかしたことがなかった善。

それ故に、強すぎる快感が怖くて堪らない。





「大丈夫だ…俺もイくから…」


國将とて、とっくに限界で。

なんとかギリギリのとこで耐えてたのだから。






「いっ…しょ…」


「ああ…」


それなら怖くないだろ、と…國将に告げられて。





「は、あッ…!」


「善…善…!」


高く高く、目の前の絶頂を目指し…深く深く愛し合ったならば。






「はッ……!」


「ッ…あああアッ――…!!」


それはどんな蜜より甘く、濃厚な時を得て。

求め合うふたりを、快楽の先へと誘うのだった。

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