フォーチュン★ストーカー

21

｢あっ…」

ギュッと逞しい腕に収められ、胸が高鳴る。

あれほど恋焦がれた人が、自分を抱き締めているだなんて…善にはやはりまだ信じられない。

(でもっ…本物なんだ…)

男らしい手や、微かに香る煙草や香水の匂いも全部。全て國将が与えてくれてるのだと思うと、身体の内から熱で満たされた。

｢あ──…ヤベェな…」

我慢出来ない─────…

掠れた声で独り言のように囁く國将に、ズクンと体温が上昇する。

更に善の存在を確認するかのよう、背中に回された手がそこを撫でてきて…。

痺れる感覚に、善は小さな悲鳴を上げた。

｢あっ…」

思わず目が合い、瞬間捕らえられる。

交わったそれは一変して、何処か色を孕んでいて…。少年の幼気な心を容赦なく揺さぶる。

｢善…」

｢ッ…」

暫く見つめ合っていたら、ゆっくりと近付いてきた國将の顔。こうなってはされるがままであり…善はギュッと目を閉じた。

同時に柔らかな感触が、唇を覆う。

｢ふっ…ぁ…」

優しいと思っていたソレは…善が無意識に唇を開いてしまった途端に、呆気なく崩れ去る。

拙い善に主導権は無く。

難なく侵入を果たした舌が、巧みなまでに自身のソレへと絡められていった。

｢んふッ…は…」

蕩ける口付けに、理性は軒並み奪われて。

息継ぐ間もないくらい、國将でいっぱいになる。

思えば初めてのキスも、この青年に奪われたのだが…あの時とは比べものにならないくらい。

今のキスは情熱的で、とても淫らなものだった。

｢な…善…」

｢ん…ぁ…？」

立ってる事も出来ず、國将に半ば抱き抱えられた形でしがみついていると。

ゆっくり離れた唇が、濡れた糸を伝って振動する。

｢もっと、ヤラシイこと…していいか…？」

｢ッ………」

ヤラシイコトってなんだろう？

このキスより凄いコトなんて、あるんだろうか…？

ぼんやりする頭で考えてみるけれど…キスだって初めてだった善には、そんなコト想像すら出来やしない。でも…

｢ダメ…か…？」

｢あっ…」

ぐりと太股で擦られた自分の中心が、ズクリと熱を伴って。自分が興奮していたのだと、知らされる。

更には…

(國将さんも…)

それは目の前の青年も同じで。

自分以上に、熱く芯を保っていたから…

(僕の事が、欲しいって…)

愛しい人が、こんな自分でもそうしたいと言ってくれるなら。

｢いい…です、よ…」

善はなんだって受け入れられると思った。

｢なら、どうする…？」

｢え…？」

まだ何かあるのだろうかと、善は染めた頬で國将を見上げて。瞬間、ニヤリと悪戯な笑みを向けられる。と…

｢俺は構わないんだがよ…このまま、」

玄関で続けるか…それともベッドの上がいいか…

｢どっちがいい？」

なんて、悪い顔して國将が問うものだから。

｢ッ…────べっ…ベッドで、」

お願いしますと言い終わらぬうちに、

｢わわっ…！」

善は國将に抱き上げられていた。