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「…お前だって、あるんだろ?」


人並みの性欲が──…そう耳元で囁く國将は、悪い顔をする。





「それはっ…僕も、男だし…」


同類なんだから解る筈なのに。

國将は敢えて惚けたよう黙って目を細める。


さっきから善の耳元には、國将のやけに艶っぽい吐息が当たっていて…。善は恥ずかしいのと擽ったいのとで、小さく肩を震わせた。


その肩に、そっと手を乗せ抱き寄せる。






「なら…教えてやろうか?」


「え…」


何を、と善が問い返す前に。




「ンッ…─────!」


國将は善の口を、自身のソレで塞いでしまっていた。







「ンッ…ぁ…は……」


不意打ちに奪った唇。

善のそれが半開きだったのを見逃さず、國将はすぐさま舌を捩じ込む。


唾液の混ざる、卑猥な行為の音が生々しく室内に反芻して。初々しい善の思考はぴくりとも働かず…國将の巧みな舌遣いによって、真白く塗り潰されてしまうのだった。





「どうだ…気持ち良いだろ?」


「はっ…ぁ…」


聞かれても答える余裕なんて善にはなく…

肩で息をする少年は、うるりと目を濡らし國将を見上げてるのが精一杯。無意識に青年の服へと掴まる手にすら、全く力が入らなかった。


そんな少年の変化に、國将は満足そうに笑みを湛える。






「勃っちまったな…」


「んあっ……!」


國将の巧みなキスにより、昂ってしまった善の下半身は。窮屈だといわんばかりに、ジーパンを押し上げ主張する。


ソコの頂きを國将が指先で撫でてきたものだから…。思わぬ快感に、善は堪らず声を漏らした。

上擦ったような声に、善はハッとして口元を押さえる。






「可愛いな、善は…」


口元に宛がった善の手の甲に、チュッと音を立て口付ける。獣染みた目で見つめると…善の瞳は色っぽい艶を馳せ、國将を捉えてくるものだから…。


この辺で止めておこうかと思っていた理性は、お預けに。國将は欲に負け、善の中心へと手を伸ばすのだった。







「あっ…!國将さ…」


「いいから…このまんまじゃ辛いだろ…?」


ヌいてやるよと、吐息混じりに善の耳朶を甘噛みする。それに気を取られている隙をついて、國将はガチャガチャとベルトを外してやった。


勿論、少年は抵抗を試みたが…

既に身も心も骨抜き状態な上、力も体格的に見ても國将には到底敵わなかったから。

あれよという間にベルトは緩められいき、ジーパンのファスナーも容易く下げられてしまった。





「あっあっ…だめっ…」


それでも善は恥ずかしくて。

泣きそうな顔で、下着に手を掛ける國将のそれを押し退けようとするが…






「善…?」


「あ…」


今まで怖いくらい強引だった國将に。

優しい微笑みを与えられてしまったから…。




「本気で嫌なら、止めてやっから…」


やらせろよ?だなんて、國将みたいな男前に低く甘い声音でねだられたらもう。

少年の心は鷲掴みにされ…うんと頷くしか許されなかった。

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