第8話疑惑

山本の首にはタイヤチューブが巻かれていた。

戸川に尋ねた。

「ワトソン君、死後どれくらい?」

「死後硬直が始まっているから、5時間くらいかな」

「そうか」

また、スマホで位置関係の写真を撮り、冷凍室へ運んだ。

「ワトソン君、何でロープのようなモノで首を閉めずにチューブ使ったんだろうね」

「黒井川さん。亡くなった山本君を強制的に眠らせで首には巻けば自然と窒息死するんですよ」

「犯人はこの山荘内の誰かだね」

「はい」

「悲鳴のトリックと密室殺人のトリックが分かれば、実は目星つけてるんだよね」

「さすが、黒井川さん」


「刑事さーん」

黒井川を呼ぶ声が聞こえてきた。

「どうしました?山口さん」

従業員の1人だ。

「電話繋がりましたよ!1日半かかりましたが」

早速、岐阜県警に電話した。

「もしもし、黒井川ですが。……いや、犯人に電話線切られましてね。もう、犠牲者が3人なんです。いつ頃、来れます?……千紗ちゃん。今日じゃないのか?……分かったよ」


食堂に全員集めた。

「警察は明日の午前中に到着します。雨も止み、復旧作業が進んでいます。今日が最後です。必ず施錠はして下さい」

「刑事さん、施錠しても殺されてるじゃないですか!」

従業員の永吉ながよしが言う。

「私達も、最善の努力をしているんです」

「丸田支配人、オレは今日は仕事しませんから」

「ワシが手伝おう」

「じゃ、私も手伝います」

と、戸川が名乗り出た。

皆さん、一旦部屋へ移動して下さい。

震えている、小田切に黒井川は声を掛けた。そして、知っていることを全て話してもらった。

これで、動機が判明した。

後は、悲鳴のトリックだ。

黒井川は丸田に頼んで、過去3ヶ月の宿帳を調べさせてもらった。

!!

黒井川は全ての謎が解けた。


「皆さん、今夜までの辛抱です。早めに寝て下さい。我々は定期的に巡回します。

皆さん、おやすみなさい」


黒井川と戸川を残して、全員自室へ戻り就寝した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る