第6話 サムの心、チコの心

ヴィシュヌ「あれから、どうだい?チコちゃんの様子は。」


レオン「相変わらずですね、ヴィシュヌ様。頭で考えるばかりなようです。」


ヴィシュヌ「やはりそうか。。。」


レオンとヴィシュヌは調理場でよく二人で集うようだ。まぁ、男同士ってやつだな。


ヴィシュヌは、レオンの調理の邪魔にならないように座り、レオンが入れたコーヒーを飲みながら、まったりしながらだ。


レオン「やっぱり、考えても駄目ですよね。心で感じなければ。恋とかも綺麗なものばかりじゃないですし、


嫉妬や、独占欲なども、必ず湧き出てきますからね。」


ヴィシュヌ「おや、レオンはよくわかるね。経験があるのかい?それとも、今、好きな子でもいるのかな?」


レオンは、静かにポツリと言うだけだった。「昔の経験です。。。」



サム「チコ、来てごらんよ。可愛い木の実がなってる。」


サムはチコに木の実をとってあげた。


チコ「ありがとう。」


二人は庭で散歩しながら、よくこうして過ごしている。いつもなら、なんでもないサムの行為も今のチコからは、


チコ(サムの愛?なのかな。)


サムの優しさについて考えていた。


「だからね、考えるばかりじゃ、だめなんだよ。」


ん?、、、誰だ?


ミナカヌシか?!な、な、何で、出て来るんだ?


アメノミナカヌシ「まぁ、いいじゃないか。成長には時間がかかる子だっているんだからね。焦らず、見守ってあげることだよ。


シヴァの成長だって、何千、何万年、いや、それ以上に時間をようしているんだからね。」


それを言うなよ。。。確かに。。。




チコはサムに聞いてみる事に。


チコ「サム。。。」


サムがチコに振り返る。


チコ「サムは愛って知ってる?」


サムは一瞬戸惑うものの、チコの質問に答える


サム「なんとなく。。。かな。」


チコ「なんとなく?」


サム「うん。僕の中ではまだ、なんとなく。。。おぼろげなんだ。。」


チコは、サムの言う表現がわからない。


サム「愛って、知識では、教えてもらったからね、こんなのが愛なんだと、知識からは、わかっても、いや、まだまだ、わかってないんだよな、実は。」


チコ「考えるだけじゃだめなの?」


サム「レオンいわく、「感じるもの」みたいなんだよ。自分の胸の奥から感じるものらしい。だから、頭で描く愛はほんとの愛じゃないと。」


チコは目からウロコだった。それなら、まだ未経験だ。。。


サム「チコ、慌てなくていいんじゃないかな。自然な形できっと、わかる時が来るよ。」


チコ「サムはチコの事好き?」

サム「うん。好きだよ。」


チコ「チコも好きだよ!」


チコはニコニコしながら、サムに答えた。


その様子を窓から見ていた、ヴィシュヌは微笑みながら、

「レオン、やっぱり、まだまだ、これからなようだよ。」


レオン「そのようですね。


サムはいつまでも、待ち続けるでしょうね。自分のチコちゃんを思う気持ちに、彼女が追いつくまで。。。」


二人は、レオンが焼いたおやつをつまみながら、語るのだった。。。





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