第5話 「愛してる」って?

ヴィシュヌは、困惑していた。


なぜなら・・・


「ヴィシュヌ様! 「愛してる」って、なんですか?」


チコの唐突な質問。。


そりゃ、そうだろ。


それにしても、ヴィシュヌのヤツ、なんと答えるのか。。。?


ヴィシュヌ「チコちゃん。まずは、座ろうか。」


ヴィシュヌは、チコを座らせた。


チコ「ヴィシュヌ様、教えて下さい。

「愛してる」って、、、」


ヴィシュヌ「チコちゃん。


その「愛してる」だけどね。


「愛してる」のまずは、「愛」について知らなくてはね。」


チコ「愛?」


ヴィシュヌ「そう、「愛」だよ。愛は奥深いんだよ。そして沢山の「愛」がある。


では、愛っていう、感情。気持ちについてお話しようね。


一言でいうならば、


大切と言う気持ち。大事にしたいと言う気持ちではないかな。」


チコ「大事。。。大切。。」


ヴィシュヌ「チコちゃんは、パティママが好きだよね。」


チコ「母様?のこと?  勿論、大好きです。」


ヴィシュヌ「じゃぁ、ママの事を大切にしたい。って考えたり、思ったことはないかい? ママを助けたい。とか、こうしたら、ママが楽になるかな?とかね。ママの事を考えたりした事はないかい。」


チコは考え、「あります!」


ヴィシュヌ「その想いが「愛」なんだよ。愛には沢山の種類があるんだよね。花や木を見て可愛く思え、お世話したりも愛だと思うし。レオンのお手伝いをしてレオンを助ける事も愛だよ。別の言い方をすると、


「思いやり」とも言えるかもしれない。 そして、男女の間にもあるんだよ。」


チコ「結婚とかですか?」


ヴィシュヌ「そうだね。結婚、婚姻は愛し合う男女が結ぶものだからね。」


チコ「愛し合うとは?」


ヴィシュヌ「チコちゃんは、サムが好きだよね。」


チコは頷く。


ヴィシュヌ「そのサムに対する「好き」はどんな「好き」なんだろうね。」


チコ「どんな「好き」・・・?」


ヴィシュヌ「まず、サムは男性なんだよ。だから、サムをサムだけど、男と意識して、自覚した上での「好き」ならば、それは、「恋」だと思うし。それから、サムの事を大事にしたい。

サムを軸に考え自分を考えることができるようになってくると、「愛」へと変わっていくようになるんじゃないかな。お話しながらの、「愛について」はむずかしいね。」


チコは考えていた。ヴィシュヌの言う「愛」について。サムを男と見ているのか。



それからは、何をするのも、チコは

(これは、「愛」なのかな?)自問自答しながら、「愛」を探し、時には周りの女神達にも尋ねたりして、「愛」とはなんだろう。


意識しながら、学んでいった。


ヴィシュヌ「随分とチコちゃん愛を探してるね。」


ラクシュミー「そうね。大きいものから、些細な小さいもの、何でも、興味を示しては、これは愛なのかを考えてるわ。」


ヴィシュヌ「でも、考えるだけでは、まだまだ。。だよね。」


ラクシュミー「そうね、感じる事ができるようにならなくては、「恋」も「愛」も知る事ができないから。」


ヴィシュヌは自分の事を思い返しているようだった。自分がかつて遥か昔に感じた特別な気持ちを。


て、誰の事を思い、振り返ってんだ?初恋か?


ヴィシュヌ「シヴァは初恋は?」


はぁ?そんなの、俺が当時自覚すると思うか?あんな、只のやんちゃクチャな俺が。


ゼウス「シヴァに聞くだけ無駄だ。


シヴァに愛とか、恋とかの知識を教えたのは、この俺なんだからな。」


ゼウス!いらんこと言うな!


当たってるけど。。。


ヴィシュヌ「そうなんだね。やっぱり、経験しながら、知るもんなんだろうね。僕もそうだたから。


チコちゃんはこれから知っていくんだろうなぁ。。。」

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