第4話 チコの気持ちは?
あれから、暫くしてから、サムはヴィシュヌのグループに入った。
ここのグループは、女性ばかりで、男性と言えばヴィシュヌだけだ。。。
と思いきや、いた、もう一人。
彼は、このグループのお世話係だった。庭の手入れをしたり、料理も得意でお客様が来るときは、勿論、普段も何だかんだと、手作りでもてなす。
女神達も勿論、彼を手伝ったり、自分達で何かをつくったりもする。
その彼の名は。。。
「レオンだ。 よろしく。」
初めて、ヴィシュヌ以外の男性を見て、サムはなんだか、ほっとした。
女神達は相変わらず、キャピキャピだ。
レオン「サム、ここは、びっくりの連続だよ。女神達のパワーは凄いからね。」
サム「そうだね。凄いよ。僕もよくわかる。レオンはここに来て長いの?」
レオン「僕は元々、ヴィシュヌ様の専属みたいな感じで入ったんだ。だけど、ヴィシュヌ様がラクシュミー様と婚姻を結ばれたからね、今はこうして、女神達の専属って感じだね」
サム「そうなんだね。男性が一人で凄いよ。」
レオン「楽だよ。女神達の明るさにはやすらぐしね、結構楽しいもんだよ。」
サムにはあまりピンとはこない。
こうして、いよいよ、チコがやって来る。
ヴィシュヌに連れられたチコは、何だか硬くなっていたが、それも、すぐに、あの女神達パワーにより、和んでいくのだ。
女性の力ってスゲーな。まるで光そのものだな。
ヴィシュヌの柔らかさと、女神達の天真爛漫さなどが重なり、チコも次第に、持ち合わせていた、天真爛漫さが開花していくのだ。
サムとも、再会し、より一層チコにとっては、安堵の空間となる。
そうして、ヴィシュヌのグループでの生活の中、チコは特に仲良くなる女神ができた。
と言っても、チコは、まだ女神でも何者でもなく、仲良くなった彼女は、まだ、女神になりたての新米女神だった。
二人で一緒に過ごす事も多く、レオンの調理場で手伝いながら、恋バナをしたりもしていた。
彼女の名はジュリア。
恋バナは、ジュリアのお得意な分野だ。ヴィシュヌのグループに意中の彼がいるはずもなく、そう、彼女は別のグループにいるアイドル的存在がいたのだ。
勿論、チコは別のグループなんて、知る由もなくだ。では、なぜ、ビシュヌのグループに居ながら、別のグループの存在を知るのか。
ジュリアのように女神になっている彼女達は何度か様々な星や、地球もだが、転生する。地球は記憶をリセットされ降りるが、星によっては、記憶はそのまんまな事もあるんだ。
そこで、知り合った男性、女性達との関わりの中で、別のグループが存在する事を知る。ってわけなのだ。
調理場で、チコとジュリア、勿論調理場担当のレオンがいる。
3人は、手を動かしながら、おしゃべりだ。
ジュリア「ねぇ、チコちゃん。」
ジュリアが切り出す、勿論、恋バナだ。
チコ「なあに?」
話をそばで聞くレオンは、何の話題になるのかは、想像がついていた。
ジュリア「サムちゃんの事好きなんでしょ。」
チコは何のためらいもなく「好きだよ。」と答える。
あまりのあっさりな返事にジュリアは、「結婚するんでしょ。」
チコ「へ?、、結婚?」
ジュリア「違うの?二人でグループに入るって事は、すでに夫婦か、これから夫婦になるって、皆考えているよ。」
チコ「?・・・・???」
全く聞いたこともなく、ましてや、結婚など意識したこともないわけで。。。
レオンが話に入る。「チコちゃんは、サムの事は好きなんだよね。」
チコは頷く。
レオン「では、「愛してる」のかな?」
あ、あ、愛してる??
何だ?それ?
チコは全く知らないような雰囲気だ。
その様子を二人は見て、
「わかったよ。。。チコちゃんは、これからだね。。。初恋になるよ、きっと。」
と言う二人。
チコは、全く困惑していた。
サムの事はずっと一緒だし、好きだし、それが??
考えても全くわからないチコ。
チコ「そうだ!」と言うとジュリアとレオンの元を離れ、向かうのである。
そう、、、
チコ「ヴィシュヌ様!」
ヴィシュヌの元に。。。
ヴィシュヌにチコは尋ねた
「ヴィシュヌ様!「愛してる」ってなんですか?」
ヴィシュヌは、キョトンとする。
そして、チコを座らせ、ゆっくり聞くのだった。。。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。