第3話 恋の芽生えは?

あれからどのくらいの時間が流れただろうか。


サムもチコも随分と大きくなり、サムは少年から青年になり、チコは少女になっていた。


地球で言えば、姿はサムは20歳そこらか、チコは15歳位だろうか。


サムは相変わらずチコの家を訪れる。扉が開くと、そこには、チコは居なく、ヴィシュヌとラクシュミーが来ていた。


サム「チコは?」パティに尋ねると、オニキスに預かって貰ったことを話す。


サムは部屋に通され、ヴィシュヌ夫妻と対面する。


ヴィシュヌ「君がサムだね。」


サムはパティを見る(どなただろうか?)


ヴィシュヌ「僕はヴィシュヌと言う、で、こちらは妻のラクシュミーだ。」


サム「サムです」


パティは、サムを座らせた。


ヴィシュヌ「僕らは、サムの家にも行くつもりでね。オニキスに会いに。」


サム「父さんを知っているの?」


ヴィシュヌ「古くからの友人だよ。」


サムは父から、そのような存在がいるとは聞いたことがなくだ。


ヴィシュヌは、席を立つとサムを誘いオニキスの元へと向かう事に。


勿論、パティもサムもだ。


サムの自宅につけば、オニキスとチコがいた。チコは、パティと一緒に帰る。


オニキスがサムに「サム、座りなさい」と言う。


いつになく真剣な父の様子にサムは少しの緊張を覚える。


ヴィシュヌが口を開く。


ヴィシュヌ「僕らはね、地球と言う星を守護、そして、魂の向上を目指すそんなグループなんだよ。


それで、そこに今度、チコちゃんが入るようになるんだよ。」


(急に何を言ってんだ?)サムに全く理解ができない。


(チコをどこに連れて行くだって?)


困惑するサムにオニキスが説明をする。やっと、理解したサムはチコが生まれた理由と、自分の使命を考える。


サム「チコがそのグループに入るなら、僕も入る。」そう、言い始める。


オニキス「サム。。。。」


サム「父さん、いつも言ってたよね、僕は、チコの為に生まれたって。だから、チコが行くところには、必ず一緒だと。だから、僕も行く!」



ヴィシュヌは、最初からそのつもりだった。チコを支え、寄り添うのはオニキスの息子だと。


そうして、サムがグループに入る事が決まる。


幾日が過ぎた頃。オニキスはサムを連れてビシュヌ達グループのメンバーに会いに行く事に。


グループの住処とも言う所は、サムが今まで過した世界とは異なり、大きな屋敷のような住まいと、だだっ広い庭が広がっていた。その庭に、綺麗な木々は勿論、花々が沢山だ。


これぞ、「ザ・おとぎ話」とでも言おうか。。。


サムは自分が場違いに来ているのではないかと思う程だった。


それも、そのはず、この雰囲気・・・


まるで女神達の楽園のようだったからだ。


中へ入ると待ってましたかのように、ヴィシュヌがやって来るや否や、キャッキャと声がする。


ラクシュミーの後ろには、女性だらけだ。


「キャーッ!あれがオニキス様よ!」


「ヴィシュヌ様の親友なんですって!」


「素敵な男性だわー❤️❤️」


おい、おい、、、ここは女学校か。。?(ーー;)


オニキスは、かなりモテモテだったらしい。。。すげーな。


で、勿論、サムもだ。だが、サムは違う意味でモテモテだったらしい。


「可愛い~💞 オニキス様のお子様ですって〜✨✨」


とまぁ、アイドル見たさなミーハーなんだろうか。。。


サムは辺りを見渡したが、男性が、、、


サム「男性が、、、い、いない?」


たじろぐ、サム。


オニキスは、全く動じない。至って冷静だった。


1つの部屋に案内され、ヴィシュヌとラクシュミーと女神達との交流が始まった。


「パティは?元気なの?」

「パティの娘ちゃんが来るんでしょ!楽しみ〜💞💞」


「サムちゃんは、そのチコちゃんっていう、パティの娘ちゃんの旦那様なの?」


サムはいきなり尋ねられ驚く


女神「だって、一緒に来るって事は、夫婦なんでしょ。」


ヴィシュヌ「まだだよね!」


女神「え?!じゃぁ、将来の夫婦って事?」


どんどんと話が進むにつれて、サムは真っ赤になっていく。


サムは今まで、意識などしたことが無い。自然な感覚でチコには接してきたし、将来もずっと一緒なのは、サムの内側では、決まっているが、肝心のチコの気持ちなど聞いたこともないからだ。


オニキス「息子は、チコの為に生まれてきた。だから、将来はそうなれば、親の私も嬉しいがな。」


女神「え?、、何?まだ、そんな気持ちの確認もできていないの?」


女神達は一斉に、サムを見る


ヴィシュヌは、女神達の興味津々さにタジタジだ。


ラクシュミーは、その様子を冷静に見ているだけだった。


女神「で?、、サムちゃんは、チコちゃんの事、どう、思ってるわけ?


愛しているのよね?、、勿論、、。」


サムに皆が詰め寄る。


おい、おい、大丈夫か?サム。


サム「も、も、も、勿論!


   愛しています!」


おい、おい。。。(ーー;)


真っ赤なサムはかなり真剣モードで答えていたのだった。。。







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