第22話


《刃磨軌》side


「さて、どうしたもんか」


五月雨から渡された紙切れを眺めて呟いた。


―――まさか五月雨のペアが殺華とはのぉ。


―――殺華は五月雨に何か言ったのか?


―――どちらも成績優秀。五月雨に至っては、わしのお気に入りだしのぉ。


―――死見音のこともあるしのぉ。


―――殺華のみの責任にするか。


一石二鳥で邪魔が消える。


「笑魅を呼ぶか、」


* * *


「笑魅、お前は殺華を殺したいか?」


「殺したいです」


即答か。


「それは、お前の母親としての意思か?」


「それを含めてです」


「お前の娘の手下は居るか?」


「CLOVER、一葉という非認定チームがいます。

 CLOVERが現在8名、一葉が現在4名です」


「わかった。下がれ」




今後の方針を決めるか。



皐月未さつきみ”―――冷刹れいせつ

 “とおる”―――夏秋かしゅう

“ダジス”―――ダジス

座座地さざち”―――スワリ


今の幹部全員が、


―――笑魅

―――一死かずし

―――七期ななき

―――トーキ


一死に関しては殺華の監視で忙しい。

チームに一人付いて欲しかったんだがのぉ。


CLOVERを使って2名ずつ入れるか。


プルルルル プルル ガッチャ


「何でしょう?」


「早速、CLOVERを使いたいんじゃが、おぬしに頼んでいいか?」


「勿論。貴方様の為なら」


「―――――?」


「―――――!」


「―――……じゃ、よろしくのぉ」


ブチッ プー プー


「儂の力はこんなモンじゃないぞ?殺華?」


何かを見据えたように遠くを見る目だけが光った。


* * *


《殺華》(陽友都)side


「結局、アメリカかよ」


いつ日本に戻ろうか?

少しは日本に戻るつもりはある。


なにより、俺のパートナーは――――…


(ここからは英語で話してると思って見てください笑)


「ヘイ。殺華?」


「ハロー。シーン」


シーンはルームシェアをしている同居人だ。

殺し屋に関係ない奴だ。


「何考えてたんだ?なんか嬉しそうだったり、落ち込んでたりしたぞ?女か?」


「黙れ。冗談もほどほどにしろ」


「お前に女か…想像できないなぁ?紹介しろよ~」


「…とても美しい。ただその言葉に限る」


「ヒュ~~」


「お前を射止めた女の子見たいな~」


* * *


「死ねばいい。殺華はこの世にいるべき人間じゃない」


「人間じゃないだろ?www」


「冷酷殺だしな?www」


「ワレラ クロバー シタガウモノ ノミ」


「…だがな、これは嬢雨の復讐だと思ってしまう。

 ……いや、俺はな!?そんな目で見んな!?」


「それは私もよ。わたしは年なんぞ関係なく嬢雨を好いておった」


「んー。満場一致でいいのかなぁ?多数決ぅ?」


「満場一致。リーダーがそんなんじゃ「のリーダーじゃん」


この部屋に集まる全てを見下ろし言った。


「殺華を殺す。我が依頼しよう









殺華を殺せ」




「「「「「「「仰せのままに」」」」」」」



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