番外編
《番外編》
「殺華先輩!あれ、UFOキャッチャー!」
「楽しそうだな」
「行きましょ!」
先輩の腕を引っ張ってコーナーへと入って行った。
わあ、楽しそう。
大きいペンギンのぬいぐるみがある!
「これ欲しいのか?」
「いいですよ、別に。下手くそな先輩にとってもらわなくとも」
「言ったな?これでとったらどうする?」
不敵な笑みを浮かべ、500円を入れてplayし始めた。
「ブツブツブツブツ―――……ここだ」
ポチッ ポチッ
捕まえた…がしかし、ペンギンは落ちた。
「なんだ、期待させるようなこと言わないでくださいよ〜」
そして1人、機械の目の前で立たずさんでいる殺華先輩を残して、違うところを見て回った。
トントン
後ろを振り返ると、殺華先輩がいた。
なんだ。びっくりした。
普通の人なら気配があるのに、なかったから肩叩かれてびっくりした。
まあ、先輩だからいいって訳じゃないけど。
それを考えるより先に視界の入ったペンギンを見て驚いていた。
「取れたんですか、?」
「当たり前だ」
殺華先輩が雑に片手で持っていたペンギンを受け取った。
気づいたのが、もう片方の手を後ろにして隠していたことだ。
「見て驚くなよ?……ほらよ?」
やってやった言っていそうな笑顔を見せた。
2匹目ペンギンが姿を現したのだった。
しかもそれはは目がハート。
可愛い!
くっそー!
「殺華先輩。欲しいものありますか?」
「んじゃあ、あれ」
そう言って指さしたのが、キーホルダーのUFOキャッチャーだった。
けれど、少し違ったのだ。
どちらか片方とればただのキーホルダー。
両側のキーホルダーを取ればペアのキーホルダー。
「俺1個取るからもう一個取って?」
挑発的な笑みを見せてきた。
「もちろんですよ!」
* * *
「取れない……」
「まだかよ〜?」
先輩は、簡単に取っていたが、私は全然取れそうな雰囲気はなかった。
「なんで取れるんですか〜?」
「計算」
はぁ?
イミガワカラナイ。
計算なんかやって取れる訳ないじゃんか!
くううぅぅぅぅ!!!!
なんか腹立つぅぅうう!
「教えてやるよ」
そう言って私の背後に立った。
もう1回する……
ここにあるからここでいいでしょ…うん!
ポチッ と押そうとしたら
「こっちだろ?」
そう言って、コントローラーの所に手を置いた。
ちょっと待って……先輩の手が触れているんですけど……!
「ここだ、押してみ?」
先輩の言う通り、押してみた。
「と、取れた…」
先輩を見れば、ふ、と笑った。
「これは、俺のモンな?」
私が取ったキーホルダーが先輩の手に吸い込まれていった。
「こっちがお前のモン」
そう言って、先輩が取った方を渡してくれた。
「あ、りがとう、ございます」
「何で急に敬語なんだよ?」
笑いながら、そんな事を言われた。
「なんとなく…」
「お前は、俺のペアで在り続けろよ?」
「私以外に務まる人が居るんですか?それなら殺しましょうか?」
そう言って、とっておきの笑顔で先輩を見上げた。
「おお~。怖い怖い」
「え~。冷酷殺神軌と言われてる貴方に言われたくありません~」
「はいはい」
夕焼けに染まる貴方はとても美しい。
ただの幸せな一日が過ぎた。
《報告書》
これから、逃亡編に突入致します。
もっと長くなりますが、どうかよろしくお願いします(o_ _)o
記録者 INOTINOKIKI1
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