第18話
《殺華》(陽友都)side
「今から死奇さんに会いに行く」
「私の叔父…」
そう言って、約束したカフェへと足を運んだ。
「そして、パンとレンルト―――…ってなんだ?」
まあ、いいか。
で、それを頼めば、ある部屋に招待される。
そこにいると。
「Excuse me. I'd like to order bread and renruto ...」
―――すみません。パンとレンルトを頼みたいのですが…
「OK. Mr.Shiki is waiting for you.」
―――分かりました。死奇が待っています。
「Thanks.」
―――ありがとう
「Mr.Shiki is in this room.」
―――死奇はこの部屋にいます。
ガッチャ
目の前には椅子に座っている男―――死奇さんがいた。
「やあ、殺華。そのお隣に居る強そうな子は誰だい?もしかして、コレ?」
右で小指を立てて、言った。
「違います。こいつは死見音の義娘ですよ?」
「へえ、じゃあ、僕は叔父さんか…」
「こんにちわ。叔父さん」
初めてここに来て、五月雨が言葉を発した。
「叔父さんと呼ばれるのは心外だなぁ。死奇お兄ちゃんとでも呼んでほしいな?」
「叔父さんじゃないですか」
「おいおい、殺華まで」
そう言って、苦い顔をしながら、席を立った。
「じゃ、可愛い可愛い弟分の話を聞こうかな?」
「ええ。俺らは―――――」
* * *
「じゃあ。つまり―――
『協会から指名されてない人を殺した』確かに皐月未はそういうのダメだったな~」
「え?先輩、死奇さんは元々皐月未に居たんですか?」
「おいおい、殺華~。言ってなかったのか~」
五月雨に言うの完全に忘れてた。
「入る時テストがあっただろ?お前と同じで1発で100点満点」
「殺華もだろ~?何勝手に抜けてんだ?」
思い思いに話にのめり込んでいった。
* * *
「少し外に行ってきます」
ガッチャ
「―――んじゃあ、殺華。真面目なお話をしようか?」
「はい」
「お前は逃げ続けたほうがいい。お前は死見音の事でまだ決着がついてないだろう?」
「分かってるけど…」
「五月雨ちゃんと離れたくないか、」
死奇さんに改めて言葉にされてなんとなく気恥ずかしさがあった。
「的中か。時期が悪いな」
「分かってる…」
「全ての感情が消えて負の感情になる」
分かってるさ、そう言って死奇さんは壁に背を預けた。
「俺だって春菜が愛おしいよ?」
そう言って、死奇さんは目を伏せた。
『春菜』さんという人は、死奇さんが愛した女性だ。
春菜さんは一般人。殺しとか知らない世界で過ごしている。
けど、その人は死んでしまった。殺し屋の手によって。
―――『愛して、た、のに…‼』
―――『自分の所為で春菜は…!』
―――『春菜を殺した奴を殺してやるッ‼‼』
本当に死奇さんが春菜さんを求めていたのも事実だ。
死見音は提案をした。
「ここじゃ、お前は死ぬ。海外に行ってみたら?」
そして、協会も少なからずそう考えていたみたいで、協会はそれを許した。
協会は「日本に凄い殺し屋が居る」という事を見せびらかしたかっただけだったが…
「愛してるなら、俺みたいになるなるなよ?」
そう言って俺の方に顔を向けた。
「自分の行動が相手にどんな影響を及ぼすか分かって行動しろ」
ガッチャ
「え?どうしたんですか?」
何も知らない五月雨が視界に入った。
ああ。
俺は、どうしようもなく
1人の女性として、
五月雨が、
和灯が、
好きなんだ。
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