第11話


殺華さつか》(陽友都ひゆと)side



「猫さん猫さん情報くださいな」



この台詞セリフ格好ポージングには見覚えがあった。



死見音しみね


有り得ない。


だが、死見音が言っていた。


『私には娘がいる。けど、本当の娘じゃない。俗に言う養子だ。

アイツは頭が良い。私は親バカなんだよ』


たまにこうやって自分の事を話してくれた。


『アイツはいい奴なんだよ。本当は…いやいい』


いつも自分で吐き出さずに解決したようにしていた。


『いつか、お前に会ったらアイツも変わるんだろうな』


『アイツも殺し屋になったんだ!なぜだ⁉』


死見音が言っていた事や全てが頭に繰り広げられる。


「ああ。そうか、こいつは―――」


殺し合いをしている《五月雨》を横目に呟いた。


和灯なお…」


「へ?」


一人で呟いたつもりだった。




「何で私の名前を…?」




五月雨さみだれ》(和灯なお)side



和灯なお


「へ?」


「何で私の名を…?」


突然のことで後ろを振り向変えってしまった。


《殺華》先輩に本当の名前を呼ばれた。


なんで?

いつの間に?


色々な疑問が出てくる。


「い、いや。何にもない。てか集中」


そして、私を通り越して後ろをさした。


ガッハッ


ある男の殴りをもろに食らった。


「ッチ。ダメもとで殴ったのが当たった」


今はこっちに集中する。


けど、私の本名を知っている事に変わりはない。


後で聞かなくちゃ。


「一人2分で終わる」


「フン。舐めた口聞いてんじゃねーよ」



結局、一人約一分半で終わった。


「武器を持っても使い方を知らなければ使えない。貴方達は赤子」


「なんだそれ?」


「いやー、捨て台詞的な?」


「あのよぉ、《死見音》って知ってるか?」


「は?」




今なんて言った?


今の単語には聞き覚えがある。


いや、忘れてはいけない名前の一つだ。




死見音―――お義母さんの名前コードネームだ。




そして、私が殺したも同然の母の名だ。








『君のお義母さんは死んだよ。でね?』


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