第3話 皆を見返せ
現在俺は土下座してレイファに事情説明をしていた。
「つまり、私の本のせいであなたが呪われたと?」
「はいそうです」
「そして何か耐久が減るとレベルがあがると?」
「いえっさー」
「まぁ、フレンダイサー君は嘘はつかないの知ってるけどさ、それはないわーって普通なら言うんだろうけど、実際レベルが41だしね、その呪いってさ本当に1つだけなのかな」
「そ、それは」
「だって本の1ページだけでそれでしょ」
「ですね」
「2ページ目開いて見てじっくり文章見て見ない?」
「あのーレイファさん、これ以上の呪いは危険かと」
「でもあなたは強くなるわ、今まであなたをバカにしてきた人達を見返せるのよ」
「それはそうですけど、何かを得る為にはきっと何かが失われるんすよ、あなたの高級カーペットのように」
「それもそうね、私は宿屋を借りるけど、問題はあなたよね」
「そうなんですよねー」
「まぁ野宿でがんばってよ」
「ひどいっすよー俺の彼女でしょあんた」
「私はあなたの彼女の前に1人の人間よ? あなたは野人として生活しなさい」
「全部お前の本のせいだろおおおおお」
「勝手に見たあなたが悪いのよ」
「それを俺にプレゼントする時点で俺は見るしかねーだろおおおお、さっき遠くに本を置いたのになんか目の前にあるしいいい」
「私は私であなたに掛けられた呪いをなんとかする方法を探すわ、図書館にこもろうかしら」
「俺はレベルあげまくるわ」
「それがいいわね、じゃ、寝るわ」
「お前外にベッドがあるのに勇気あるな」
「あなたはベッドに入らないように、耐久減るので」
「あ、はい」
かくして恋人のレイファに殺される事を防ぐ事に成功した。
問題があるとしたら俺は今後どこの建物にも入る事が出来ない。
入ったとしても次から次へと建物が消滅していくので人々から変な名前で呼ばれそうで怖い。
一応、冒険者ギルドは24時間営業なので向かった。
ちなみに神の呪いの本は置き忘れていたのだが後ろから追いかけてきている。
それだけで恐怖なのだ。
冒険者ギルドに入ると大勢の冒険者達がこちらを見た。
それもそのはず、風呂のあと服だと思ってたらパジャマだという事を忘れてた。
「ぎゃははははは、あいつパジャマ姿できたぞ」
「おいおい数年かけてスライムごときすら倒せない悲しい男よ」
俺は彼等の言葉を無視して歩く。
【おめでとうございます。レベルが42になりました。冒険者ギルドの耐久が999/1000になります。神々の悪戯がなくなったので減りが1に戻りました】
【おめでとうございます。レベルが43になりました。冒険者ギルドの耐久が998/1000になりました】
【おめでとうございます。レベルが44になりました。冒険者ギルドの耐久が997/1000になりました】
【おめでとうございます。レベルが45になりました。冒険者ギルドの耐久が996/になりました】
【おめでとうございます。レベルが46になりました。冒険者ギルドの耐久が995/1000になりました】
【おめでとうございます。レベルが47になりました。冒険者ギルドの耐久が994/1000になりました】
レベルが47になったところでカウンターに辿り着く、受付嬢の人はこちらをかわいそうな人でも見るかのように見てくる。
「あのー人生で初めてスキルを習得しようと思うのですがどこにいけばいいですか」
俺のその発言。
そうレベルが5以上になるとスキルポイントというものが付与される。
それを使用する事でスキルを習得する事が出来る。
「ぎゃははははは、おまえはバカか、ずっとレベル2だろ」
「おいおい、お兄さん、ちょっと学習しようよ」
「このレベル20の拳うけてみる?」
俺は頭を思いっきり叩かれた。
【おめでとうございます。レベルが48になりました。冒険者Aの耐久が0になりました。神様はグットラックな笑顔で助けてあげたそうです】
どうやら俺を叩いた冒険者おっさんは消滅してしまったようだ。
その場の全員が凍り付く。
それもそうだろう、突如現れた俺がレベルなんて上がらないと思われてたのに、スキルポイントはどこで付与できますかって聞いて、さらにはおっさんが叩いたら、そのおっさんが消滅するというパニック自体なのだから。
「お、おい、冒険者Aさんなんで、なんで消えたんだ。Aさん、おまえ酒代どうするんだよおおおおおお」
「これはあいつに払ってもらうしかないな」
「だな」
「おいおいお兄さん、パジャマ姿でどうしたんだい、お願いがあるんだけどさ」
2人の男は俺をつついた。
次の瞬間。
【おめでとうございます。レベルが49になりました。冒険者Bの耐久が0になりましたので消滅します】
【おめでとうございます。レベルが50になりました。冒険者Cの耐久が0になりましたので消滅します】
2人の冒険者が消滅した。
さすがの受付嬢もパニックになり悲鳴をあげて椅子を後ろに倒してぶっ倒れた。
他の冒険者達はこちらを恐怖の視線で見ている。
俺にとって他の冒険者達は俺の事をバカにする存在でしかない、それが消えたことは俺にとってプラスな事なのだ。
「おいおいおいおいおい、何が起きてる。フレンダイサーにちょっかいを出すと消滅する呪いがあるのか」
「おい、皆気を付けろ、フレンダイサーに近づくなよ、ふう、フレンダイサーお前は目障りなんだよ本当に」
【おめでとうございます。レベルが51になりました。冒険者Dの耐久が0になりましたので消滅します】
俺は俺の悪口をいった男が消滅しているのを目撃する。
恐らく俺の悪口をいって、俺は俺なりに心にぐさっと来ていたからだろう。
「きゃああああああ、呪いよ、フレンダイサーの呪いよ」
女性の叫び声が響いた。
フレンダイサーの呪いってなんだよと心の中で思わず笑ってしまった。
「なんじゃ、どうした」
ギルドマスターの老師が出来た。
しわくちゃの顔をしてこちらにやってくる。
「受付嬢が驚いてどうする、スキルポイント付与なら隣の部屋じゃ」
「ありがとうございます」
俺はゆっくりと歩きながら隣の部屋に向かった。
他の冒険者達は真っ青になって震えていた。
数名消えたけどどこいったんだろうなって俺は謎に思ったりしたが、なんとなくこの世界から消滅したんだなって思った。
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