バレンタインデーが過ぎて

「ねぇ、あの作った本命チョコ、一緒に食べてくれるかな?」

そう彼女に訊いた。

「渡せなかったの?」

彼女が目を丸くして言う。

「うん…」

私は曖昧に答えた。

「そっかぁ…」

何故か彼女の方が泣きそうな顔になって。

後は一言もなく一緒にチョコを食べた。

こういう時に何も言わない彼女が好きだ。

彼女のチョコの行方がどうなったのか、気にならない訳じゃない。

でも、今は彼女が私のチョコを食べてくれてる、そのことに感謝だけしていたい。

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彼女には見えていない恋 禎波ハヅキ(KZE) @kze

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